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文京区
開発教育協会/DEARでは、この12月に機関誌『開発教育』の最新号を発行しました。
今号のテーマは「女性をとりまく問題と開発教育」です。
2016年4月から「女性の職業生活における活躍推進に関する法(女性活躍推進法)」が10年間の時限法として施行され、そこでは「女性の活躍」「女性のキャリア」という言葉が謳われていますが、これは本当に女性たちの追い風となるのでしょうか。
支援のための法整備は重要ではありますが、女性が差別的な扱いを受けたり、不安定な状況に置かれやすい社会制度や社会構造が放置されたままでは、「活躍」の土俵に乗ることのできる女性は限られてくるのではないでしょうか。また同時に、社会が脈々と育む性別役割の価値規範に切り込まなければ、教育を受ける間口にも、就業間口にも、家族形成の間口にも、ジェンダー・バイアスに基づく差別構造が残り続けるでしょう。
ジェンダーに関わる価値規範は社会のそこここに埋め込まれており、日々の暮らしの中で、家庭や学校、メディアなどを通して、個々人の中に文化的に育まれ、男女を問わず私たちの中に無意識にしみついている。家庭や学校などでの教育機能によって差別文化が再生産されていることも忘れてはならないと思います。
本特集では、上述の問題意識のもと、4つの理論原稿、2つの実践原稿を掲載しています。今まで開発教育では、地球的課題の一つとしてジェンダー問題に取り組んできましたが、それは多くの場合「途上国での女性の問題」であり、「私たちの女性問題」ではありませんでした。
しかし、それではなぜ、今でも女性が構造的に差別され、貧困や戦争という状況で暴力や抑圧を受けるのか、その本質に向き合ったとはいえないのではないか、という反省的な意味も込めて本テーマを取り上げました。ぜひご覧いただき、ご意見をお送りいただけますと幸いです。
そのほか、「開発教育全国研究集会」の報告や、会員からの実践事例や研究論文などの投稿も掲載しています。機関誌はDEAR設立の1982年から毎年発行されており、開発教育の歩みや歴史を知る貴重な資料としても活用されています。
開発教育協会/DEAR
2016年12月10日発行、B5判144頁
一般2,000円+税(2,160円)
会員1,600円+税(1,728円)
DEAR会員の方には12月中旬に1部無料でお届けします。
特集にあたって
座談会「ジェンダー・女性・開発教育」
<理論編>
「『ジェンダー主流化』に向けて—世界の変化・日本の状況」(三輪 敦子)
「女性の学習の総合的なあゆみ—拠点施設『男女共同参画センター』の歴史的変遷から」(福田 紀子)
「日本の『教育』を支えるジェンダー構造」(松葉口 玲子)
「見えづらい『女性の貧困』—もやいの活動から」(大西 連)
<実践編>
「ジェンダー版『ちがいのちがい』—気づき、学び合い、自分を知る教材」(林 香織)
「その人らしい学びを支える教育実践をめざして—大田区民大学における女性問題講座から」(近藤 牧子)
<コラム>
「女性のエンパワーメントとウェルネス教育」(井上 則子)
「『ジェンダー・ハウス』で地域社会を分析しよう」(奈良崎 文乃)
新設教科「グローバルシティズンシップ科」をとおして考える教師の変容(松倉 紗野香)
公害地域の「今」を伝えるスタディツアーが公害教育にもたらしたもの(林 美帆)
持続可能な開発目標(SDGs)における開発教育の役割(上條 直美)
全体報告
プログラム
シンポジウム:公正で持続可能な経済は本当に可能か?!
課題別分科会1:教師が変わると学校が変わる?!
課題別分科会2:ソーシャルアクションと開発教育
課題別分科会3:アクティブラーニングと時事問題
課題別分科会4:人々の力が社会を変えた
フィールドワーク:「難民問題」を自分ゴトとして捉える
開発教育におけるファシリテーターとしての教師とは—意識変容の学習を支援するために(山中 信幸)
異なる文化背景をもつ社会における相互理解—ケニアの子どもたちにおけるケニア・中国・日本のイメージ調査を通して(山本 康夫)
『社会科 アクティブ・ラーニングへの挑戦-社会参画をめざす参加型学習』(小野 行雄)
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