(2011年6月11日 / TVAC )
<プレスリリース>
東京ボランティア・市民活動センター×日本マイクロソフト株式会社
児童福祉施設の就労支援で連携
- キーワード
- プレスリリース 、 企業 、 協働 、 CSR 、 IT 、 就労支援
現在、児童養護施設で生活できるのは高校を卒業する18歳までとされており、入所者たちは高校卒業と同時に自立することが求められています。厳しい経済情勢により高卒者の就職が困難な状況にある中、彼らが施設を出ると同時に自立の道を確立するのは難しく、安定的な雇用につくための支援が必要とされています。施設を出て自立をするための支援は児童養護施設の大きな課題であり、自立援助ホームによる退所後の支援の拡充も求められています。
このような状況の中、日本マイクロソフトは、東京都社会福祉協議会によって運営されているTVACと連携をすることで、東京都社会福祉協議会児童部会の会員である児童養護施設及び自立援助ホームにおいて、そこで暮らす青少年たちが就労に必要な基礎的ITスキルを習得するための環境づくりを実現すると共に、就労・自立のための支援の拡充が可能となります。
本プロジェクトにより、東京都内21ヵ所の児童養護施設及び自立援助ホームで就労期前の青少年を対象としたITスキル講習を実施するために、オリジナルテキストの開発、施設スタッフのIT講師養成、PCの配備やインターネット環境の整備、及び講習運営に関する研修をすることで、各施設は将来、継続的にITスキル講習を実施するためのノウハウとリソースを得ることができます。
さらに、日本マイクロソフトは、本プロジェクトによる児童福祉施設でのITを活用した就労支援のノウハウをもとに、東日本大震災で被災した青少年を対象にした同様の支援を被災地域で展開することを検討をしてまいります。
児童養護施設及び自立援助ホームを対象としたITを活用した就労支援の詳細は、以下の通りです。
◆名称
「自立UPプロジェクト」
◆支援対象
東京都内の児童養護施設及び自立援助ホーム 21団体
◆ITスキル講習受講者の対象
児童養護施設及び自立援助ホームで暮らす就労期前の青少年。主に17才〜20才の男女。
プロジェクト活動の概要
1.施設の青少年のニーズに合わせたカリキュラムとテキストの開発
2.施設のスタッフをIT講師として新たに養成
3.講習実施に必要なソフトウェアの寄贈及びPCの配備、インターネット環境の整備
4.施設の青少年を対象に、ITスキル講習を児童養護施設・自立援助ホームにおいて実施
5.施設の青少年の就労意欲の促進及び就職活動支援の実施
6.プロジェクトで開発したテキスト等のリソースや運営ノウハウを広く一般に提供
7.児童養護施設及び自立援助ホームにおける自立・就労支援について、プロジェクトの成果からの政策提言
IT環境
◆ITスキル講習用PC
株式会社アンカーネットワークサービスとの協力により、日本マイクロソフト中古PC再生プログラムによって再生されたPCを各施設5〜6台、合計110台を設置
◆ソフトウェア
Windows 7、Microsoft Office 2010を日本マイクロソフトより寄贈
◆インターネット環境
各施設におけるITスキル講習の実施会場でのインターネット環境を整備
ITスキル講座の内容
実施時期 2011年6月〜2012年3月
実施場所 東京都内21ヵ所の児童養護施設及び自立援助ホーム
実施内容 全32時間のIT講習
講習1 パソコン基礎&Eメール(全4時間)
講習2 インターネット&セキュリティ(全4時間)
講習3 ワード(全8時間)
講習4 エクセル(全8時間)
講習5 パワーポイント(全8時間)
プロジェクトの目標:
1.ITスキル講習人数:のべ500名
2.就労支援イベントへの参加:100名
3.ITスキル講習を受講した青少年の就労率:30%
今回の取り組みを展開するにあたり、社会福祉法人至誠学舎立川理事長、日本児童養護実践学会会長、法政大学名誉教授 高橋利一氏よりエンドースコメントをいただいています。
「児童福祉施設そのものが経済的な理由もあり、なかなかIT化が進んでいないという実態があります。一方、施設に暮らす高齢児童の数は増えており、こうした子どもたちの自立支援に、より力を入れていくことが大きな課題となっています。今回、日本マイクロソフト社より最新のソフトウェアやPC、オリジナルのテキスト、職員の研修、子どもたちの就労支援といったハードとソフトの両面にわたるご支援を受けることによって、施設の中で、継続的に子どもたちにITスキルを教えることが可能となります。このことは子どもたちがこれから夢をもって、仕事の選択肢を広げ、自立していく大きな力となるはずです。」
また、TVAC所長、山崎美貴子所長のコメントは以下の通りです。
「ITは今や大人にとっても、子どもにとっても情報収集のための最強のスキルです。日本マイクロソフトとは10年前にDV被害女性の自立支援プロジェクトをご一緒に実施させていただき、多くの女性たちを支援していただきました。今回はその経験を活かしつつ、さまざまな事情で親と暮らすことができない青少年を対象に、児童福祉施設において「ITスキル講習」を継続的に実施するための支援をしていきます。青少年がITスキルを身につけることで、自信をもって社会に飛び立っていくことを、企業、福祉施設、NPO、ボランティアの皆様と力をあわせて応援したいと思っています。」