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(2005年10月3日 / 藤原孝公 )

TVACレポート

埼玉・移送サービスコーディネーター講習にいってきました

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画像↑当日は埼玉県内のNPOや社会福祉協議会から、約100名の参加がありました。

9月30日と10月1日に、埼玉県移送サービスネットワークと埼玉県社会福祉協議会・埼玉県ボランティアセンターの共催による移送サービスコーディネーター講習にお招きいただき、与野市の彩の国すこやかプラザに行ってきました。

移送サービスコーディネーターというのは、まだ聞きなれない役割かもしれません。

車いすのまま乗れる福祉車両(ハンディキャブなどと呼ばれる)を運行し、何らかの事情で移動困難な状況にある人びとの外出送迎をサポートする「移送サービス」が今、各地で広がりをみせています。最近では、運転ボランティアに対する研修が各地のNPOやボランティア市民活動団体のネットワークで行われていますが、コーディネーターに関する研修はまだ少ないのが現状です。

コーディネーターは、利用者(移動困難な方)の外出送迎をいかに実現するかというの役割をになっており、その上で、実際の運行を安全に、円滑に行うための調整(利用者の状況を知ることや車両や運転協力者のスケジュールづくりなど)を行っています。

というのも、たとえば頚椎部分が動かすことのできない、座高の高い人が車いすのまま車両に乗ろうとしても、車高によっては乗ることができない(頭が屋根にぶつかってしまう)という場合があるなど、事前に利用者の状況を知らないとサービスにうまくつながらない、ということも少なくありません。移送サービスは、単に自動車で人を運ぶサービスではなく、事前のコーディネートがとても重要なサービスで、そうした役割をコーディネーターの人びとが担っているのです。団体によっては、事前に本人の自宅に訪問して聞き取りしている場合もあります。

ところが、こうしたコーディネーターの役割自体を注目されることは、これまであまりありませんでした。

東京では、市民活動で行われる移送サービスの専門性を体系化しながら社会的な信頼を高めようと、1999年にプロジェクトを立ち上げ、それを「移送サービスモデル研修体系試案」としてまとめました。その時の研修体系の柱に、前述の運転協力者に加えてコーディネーターも入れています。それは「けっこうコーディネーターの役割も大きいよね」という考えがあったためです。(「移送サービスモデル研修体系試案」は、こちらからお求めいただけます)

当時はほとんど注目されませんでしたが、移送サービスをとりまく状況が大きく変わった今日、ようやくコーディネーターのあり方が注目されてきました。そうした中、埼玉県移送サービスネットワークと埼玉県社会福祉協議会・埼玉県ボランティアセンターの共催による今回の研修が実現しました。

当日は、NPOや市民活動団体の人びとと役割分担をしながら講師をさせていただきました。内容は、前述のような現場での事例などにもとづきながらコーディネーターの役割・あり方をお考えいただくようなことをお話させていただきました。

特に最近の高齢者は、外出しない人が増えているといわれます。今年3月に行った移送サービス利用者調査でも、通院以外の目的で外出をしない人が増えている状況も見えてきて、かつてのように、外出したくても(手段が乏しいから)できないという状況から、今の状況は変わってきているので、そうした状況を変えるために、コーディネーターが、身近な相談役・つなぎ役となって外出につなげられるようにするためには、どうしよう、どうすればいいだろう、ということもお話させていただきました。

と、いうような利用者の状況について、10月に行われる下記のイベントでお話させていただくことになっています。よろしければご参加下さい。募集はまだ行っています。

●福祉交通サービスの新しい時代を築くセミナー :: /wi/info.cgi?light=on&id=5761

それと、日本の移送サービスが、ボランティア・市民活動ベースで広がってきた背景を今、私たちの情報誌「ネットワーク」で連載しています。こちらもよろしければどうぞお読みください。感想をお待ちしています。

↑最新号です!ぜひぜひお読み下さい。



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