企業の社会貢献&社員のボランティア
企業も社員もコミュニティの一員として

週末に社員が家族と一緒に河川クリーンアップ
「企業市民」そして「企業の社会的責任」の時代
コーポレート・シティズンシップ(Corporate Citizenship、「企業市民」)という言葉が、日本で叫ばれ始めたのは1980年代でした。
当時、海外に進出した日本企業は、欧米社会では、企業もコミュニティの一員であり、コミュニティに対して積極的に貢献活動をしながら、その責任を果たさなければいけないことが、強く求められているのを知ります。そして、日本においてもこうした実践を行うようになっていきました。
当初は、大企業を中心に、環境対策や芸術・スポーツの振興、あるいは、ボランティア休暇制度や助成財団・助成金の設置などに取り組みました。
しかし、その後20年以上が経過したものの、こうした活動は企業の一部の部署だけが担当し、社員の多くは自分の企業がどのような社会貢献活動をしているかも知らず、また、ほとんどボランティア休暇制度を利用することもないままだったのです。
そして、21 世紀になると、CSR(Corporate Social Responsibility、「企業の社会的責任」)という言葉とともに、本業の健全な運営や、情報公開、従業員への対応、環境対策など、あらゆるステークホルダー(利害関係者)への責任ある行動が求められるようになりました。その中のひとつの柱として、コミュニティへの社会貢献活動にも、再び積極的に取り組もうとしています。
仲間や家族とともにコミュニティ活動
今回の新しいトレンドは、社員がチームになり、週末や平日の勤務時間を利用してボランティア活動に参加するというものです。
社員たちはボランティア活動に関心がありながらも、「忙しい」「情報がない」「きっかけがない」「組織の理解がない」「家族の理解がない」という理由で、なかなか参加できずにいました。しかし今、仲間や家族と一緒にコミュニティに参加しながら、そこでの現状や課題を知るとともに、地域の人々と交流し、「地域社会の一員」であることを実感しています。
これにより、企業やそこで働く人々と地域社会の信頼関係を構築するだけでなく、社員の愛社精神や倫理観、仕事へのモチベーションを高めたり、組織内のコミュニケーションを促進したりという効果もあるようです。
リソースの活用やNPOとの協働で課題に取り組む
もうひとつの傾向は、各社が本業のリソースを活用しながら、個性的な社会貢献活動を行おうとしている点です。そこでは、資金や物資の寄付だけでなく、企業あるいは社員のもつさまざまな専門性や情報ネットワークを活用しています。
また、社会的な支援が届いていない分野、あるいは、新しい社会課題に対して、NPOや福祉施設、教育機関、行政などとのパートナーシップやネットワークを通して取り組むという先駆的な事例も増えてきました。
現代の日本は、高齢者の介護、障害のある人の自立支援、子育て支援、教育問題、農山村の過疎化、ホームレスや貧困、DVや虐待、多文化共生、自然保護、温暖化、災害…など、さまざまな課題に直面しています。
こうした問題を行政だけにまかせるのではなく、市民と企業がその「民間性」や「柔軟性」「創造性」を活かして取り組んでいくことが強く求められているのです。
もっと詳しく!
『企業の社会貢献&ボランティア ガイドブック』
東京ボランティア・市民活動センター 2008年 A3判・30ページ 100円(税込)
企業や社員が、NPOなどと協働しながら社会的課題に取組む方法や、活動にあたって配慮したいこと、企業のリソースや専門性を活かした事例、ボランティアセンターの活用術など、旬の情報をコンパクトにまとめました。
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東京ボランティア・市民活動センター(企業担当)
Tel:03-3235-1171(火〜土9時〜21時、日9時〜17時)
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