新型コロナウイルス NPOから寄せられる相談とQ&A(相談の窓口から)

こんな時、会費をどうやって
集めればいいの?

キーワード:会費、会員、仲間づくり、参加、新型コロナウイルス


TVACに寄せられているよくある相談 の「会員について」でもご紹介しているように活動休止に伴う会員の減少が起きています。

こんな状況の中、会費をどのように集めていくかは大変難しい問題です。例年までは、「会員の更新(継続)のお願い」をすれば、スムーズに会費の納入が行われていた団体にとって「会員・会費減少」は大変ショックなことだと思います。今後「会員・会費の減少」を避けるためにも、会員制度、会費の目的や集め方、金額、会員とのコミュニケーションについて、改めて考えてみましょう。


会員制度

会員制度は、継続的に団体を支えてくれる仲間を得ることができ、会の最新情報をいち早く伝えることができる仕組みです。NPO法人の正会員は総会に参加し、法人運営の意思決定に関わる大切な存在です。また、会費を設けることで定期的な収入が見込め、予算を組みやすくなり、活動費や固定費などに充てることができます。会費は、活動への参加、サービスの対価、活動資金などとさまざまな目的で設定できる有意義なお金です。その集め方は、振り込みやクレジット決済、総会時に現金で受け取るなどがあります。


この時期にできることはさまざまな形のコミュニケーション

今は会議室などに集まって行う総会が難しかったり、活動が止まっていたりと、会費の納入をお願いすることに後ろめたさを感じてしまっている団体もあります。後ろめたさや難しさを感じた時は、どんな目的で会費をお願いしているのか振り返ってみてください。仲間になるためのお金、つまり参加への決意表明的な意味合いと団体を支えてもらう目的で会費をいただいているのであれば、今まで通り「支えてほしい」「一緒に乗り越えてほしい」という気持ちを伝えられるよう会員とのコミュニケーションを増やしてみてください。お手紙やメールで団体の近況を報告したり、会員の近況をお尋ねしたり、メルマガ発行の頻度を上げたり、オンライン交流会を開催したり・・・と今できることで、双方向のコミュニケーションがとれる方法を考えてみてみましょう。「会員更新(継続)のお願い」を出すときには、団体の魅力を思い出してもらうためにも、活動報告や決算書、ニュースレターのダイジェストなど添付(同封)資料を例年よりも工夫するなども考えられます。依頼文も会員更新に関する内容だけではなく、団体が今思っていること、会員へのメッセージを添えてみてください。本格的に活動が再開したら、どんなことをしようと思っているか、今だから力を貸してもらいたいこと、「大変な時期を仲間として一緒に乗り越えてもらいたい」、「会員を継続してほしい」、「会員への感謝の気持ち」といったメッセージも届けてください。メッセージを添えることで会員が入会当初の「この団体の一員になりたい」「この団体を支えたい」「活動したい」という気持ちを思い出してくれるかもしれません。

自分だったらこんな状況のときに、団体からどんな情報、メッセージを受け取れたら嬉しいか、「団体を一緒に守っていこう」と思ってもらえるかを理事やコアメンバー、活動の主体になっている人たちで話し合って、「会員の更新(継続)のお願い」、「会費納入のお願い」を出してみましょう。


会費収入が減ってしまったら

残念ながら会費収入が減ってしまった団体は、オンライン交流会・ランチ会、講座などを開催し、ワンコイン参加費をいただくのもいいかもしれません。収入の数%を納めるだけで使用できるオンライン決済サービスなどもありますから、今できる活動を生みだし、会費の補填を前向きに検討してみましょう。また、新たな会員を増やすために、正会員以外にも団体を応援してくれるサポーターのような賛助会員などを新たに設定するのもいいかもしれません。今すぐにできることは、会員の気持ちが離れないように知恵を出し合い、コミュニケーションを増やしていくことだと思います。

(相談担当:Y)