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2011年3月11日に遭遇した東日本大震災以降、持続可能な未来社会について「国の形」を切り口に論じる傾向が定着している。人びとの暮らしに垣間みる「苦しみ」「悲しみ」「切なさ」の意味が、「国の形」という最大公約数的発想のなかで埋没し、軽んじられる実態が顕在している。さらに「自助」「自己責任」なる考え方が必要以上に喧伝され、あたかも「社会問題の個人化」を是認するような生活感覚の広がりは、社会福祉を取り巻く環境としてこれまでにない深刻さが増している。
そこで、第14回目を迎えた本シンポジウムでは、「制度としての社会福祉」の根幹をなす「国家責任としての生存権保障」よりも、「家族内の助け合い」を第一義とする「日本型社会福祉」の展開や「『我が事・丸ごと』地域共生社会」のビジョンを基軸に計画される昨今の政策動向に迎合するかのようにも側聞される、社会福祉関係者(ソーシャルワーカー、研究者等)が当事者に「寄りそう」「心を寄せる」スタンスを保ち続けようとしない「現実」を読み解くことにしたい。社会福祉における支援活動の哲学的な原点は「民主主義(democracy)」の発展に貢献することであり、すべての人びとの「人権と権利の擁護」に努めることにある。それは、ソーシャルワーカーに「改革しない改革論者」であるべきでないことを指し示しているといえよう。ソーシャルワーク専門職として、哲学的な原点の実体化(materialization)を目指すのは、時代を超えて担い続けなければならない責任であることを共有できる機会としてみたい。
2019年12月8日(日)
13:00~18:00
(受付開始12:15~)
港区
明治学院大学 白金校舎・本館1201教室(東京都港区白金台1-2-37)
【お申し込み方法】
1.(1)「参加申込書」に必要事項をご記入の上、FAXでお送りください。
(2)参加費をお振り込みください(恐れ入りますが、振込手数料はご負担願います)。
なお、ご入金後の参加費は返金いたしかねますのでご了承願います。
※お振り込み先 みずほ銀行 高輪台支店
(普)1100462
ソーシャルワーク研究所
2.ご入金の確認後、参加証を郵送いたします。参加証は当日ご持参ください。
「制度のなかで揺らぐソーシャルワーカーはどこに軸足を置くべきなのか-『我が事、丸ごと』施策に内在する課題の気づきと専門職としての身のこなし方-」
渡部律子(日本女子大学)
「わが国のソーシャルワーク実践はどこに軸足を置くべきなのか-権利と人権の『擁護』と『利用者主体』の相互関連性-」
大友信勝(聖隷クリストファー大学大学院):「公的扶助領域において問い直すべき課題-差別と排除に立ち向かう福祉事務所ワーカーのジレンマを読み解く-」
久保美紀(明治学院大学):「地域包括ケア(システム)領域において問い直すべき課題-家族を『制度の含み資産』と駆り立てない支援の方法-」
逢澤詳子(藤沢市就労準備支援事業共同事業体、元・横浜第一病院):「医療福祉領域において問い直すべき課題-今に繋がる『利用者主体』の意味するもの-」
山田勝美(山梨県立大学):「子ども家庭福祉(社会的養護)領域において問い直すべき課題-『地域福祉の時代』は『子どもの貧困』の対応に何をもたらしたのか-」
総合司会:北川清一(明治学院大学、ソーシャルワーク研究所)
ソーシャルワーク研究所
一般:5,000円、大学院生:3,000円、学生・生徒:1,000円
80名(定員になり次第締め切り)
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