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「慰安婦」問題、セックスワークと人身取引、部落問題、アニメスタイルの女性表現、障害者と移動の権利……「何冊も本を読んで一から勉強する時間や気力はない...」「でも、SNSで広まっている嘘の情報にうっかりだまされて差別に加担してしまうのが心配...」という方向けの基礎講座です。
2023年5月20日(土)
5月20日(月)~9月9日(月)全5回、各回とも18時30分~20時
不特定
オンライン(第1, 3, 5回はオンラインと会場開催を併用するハイブリッド開催、第2, 4回は完全オンライン開催)
2023年9月10日(日) 必着
【イベント申込ページ】https://23imasara.peatix.com/
■講座料金
1回券・・・・・・3,000円
5回通し券・・・・12,000円(一般)
■お申込み締め切り
・vol. 1 お申し込みの締め切りは9月10日(月)23:00(最終回の翌日まで)です。
・お申込み時点ですでに終了している回につきましては、「後から配信」でご覧ください。
第1回 2023年5月20日(土)18:30-20:00 梁・永山聡子「私たちはなぜ『慰安婦』問題を語りにくいのか?」(ハイブリッド)
第2回 2023年6月24日(土)18:30-20:00 青山薫「セックスワークと人身取引 ーー二分法を越えて」(オンライン)
第3回 2023年7月29日(土)18:30-20:00 角岡伸彦「はじめての部落問題」(ハイブリッド)
第4回 2023年8月12日(土)18:30-20:00 堀あきこ「問題化されるアニメスタイルの女性表現」(オンライン)
第5回 2023年9月9日(土)18:30-20:00 伊是名夏子「女性×障害 インターセクショナリティの生きづらさと権利」(ハイブリッド)
第1, 3, 5回はオンラインと会場開催を併用するハイブリッド開催、第2, 4回は完全オンライン開催となります。
「『慰安婦』問題は友達と話しにくいんです。」... なぜでしょうか?
(1)日本軍の一連の性暴力を理解するには、多くの知識と時間が必要だとされていること。<専門性(権威)主義の問題>
(2)昔、日本国家のやったことをなぜ、自分が考え、行動しなくてはいけないのか?<歴史と自分との距離感の問題>
(3)あんなに辛い経験をした人が大きな声で社会に訴えることなんてできないんだから、金欲しさに、嘘を言っているはずだ。<性差別/民族差別/レイプ神話の問題>
などが考えられます。
その一方で、ジェンダー構造、階級構造による差別、日本帝国主義・軍・戦後日本社会のアジア蔑視・差別の論理を「罪」として枠組み構築をしてきた、トランスナショナルなフェミニズム運動の源泉でもあります。言い換えれば、日本のジェンダー平等の基礎的な課題、インターセクショナリティの基礎です。
講座終了後は『「慰安婦」問題こそ友達と話したいです!』となるような内容になる予定です。
国境を越える性取引は、国際社会が廃絶をめざす人身取引あるいは「現代の性奴隷制」と呼ばれる一方で、これを労働とし、安全に携わる権利を求める当事者も絶えない。議論は二分され、ゆえに、どちらの対策も当事者救済・支援も的を射たものになっていない。今回の講義は、改めて二つの事象の分かち難さを明らかにし、人身取引と移住性労働両方における当事者の経験について、包括的な理解を試みる。そして、どちらの当事者の人権もが守られる道を探る。
旧賤民にかかわる差別が部落問題である。
被差別部落は、日本全国に数千カ所あると言われている。
1世紀半前に廃止された賤民制度が、なぜ、現在も意味を持つのか?
誰がどのような理由で被差別部落を残してきたのか?
日本近代の負の遺産を私たちはどのように考えればいいのか?
見えにくく難解に思われがちな部落問題の「これまで」と「これから」を考えてみたい。
何度も繰り返し起こっている、広告の女性イメージを巡る「炎上」。なかでも「萌え絵」と呼ばれる女性イラストへの批判は、フェミニズムへの反発がセットとなった再批判として常態化している。アニメスタイルのイラスト技法を読み解くことから議論のすれ違いをまとめ、何が問題とされているかを整理する。
家父長制が根強い中で、障害女性は、性のない存在、男性を支えられなければ社会のお荷物の存在と扱われることがある。だからこそ女性障害者は少しでもマジョリティに近づこうと、敢えて女性性に固執してしまうことがある。結婚妊娠出産を通して初めて、まわりや医療者から「障害者」としてではなく「女性」として扱われた経験。障害者だからこそ受ける差別と、女性障害者だからこそ受けるさらなる差別を痛感。目に見えやすいものから、見えにくい差別について考えて行きたいです。
第1回 梁・永山聡子(ヤン・ながやまさとこ・チョンジャ)
ふぇみ・ゼミ運営委員/成城大学グローカル研究センター研究機構客員研究員、在日朝鮮人3世。研究課題は、ポストコロニアル社会における植民地主義残滓のフェミニズムの権力関係。事例として日本軍の性暴力問題に関する活動・調査研究。希望のたね基金で日韓若者交流事業に従事(2017年から2021年)、韓国・女性家族部・日本軍慰安所研究所委託研究を行う(2021年度)。在日本朝鮮人人権協会性差別撤廃部会、1923関東朝鮮人大虐殺を記憶する行動・事務局、アジア女性資料センター他で活動。関東近郊の大学で非常勤講師をしている。
第2回 青山薫(あおやま・かおる)
学卒から20年後の2005年、エセックス大学で社会学博士号取得。帰国後、京都大学文学研究科助教などを経て、現在神戸大学国際文化学研究科教授・ケンブリッジ大学犯罪学研究所客員研究員。この間に、同性パートナーと「再婚」、パートナーの出産で子育てにも戻る。専門は、ジェンダー・セクシュアリティ、移民・移住、セックスワーク。
第3回 角岡伸彦(かどおか・のぶひこ)
1963年兵庫県生まれ。
関西学院大学を卒業後、神戸新聞記者などを経てフリーライター。
著書に『被差別部落の青春』(講談社)
『はじめての部落問題』(文春新書)
『ふしぎな部落問題』(ちくま新書)
『ホルモン奉行』(解放出版社)
『カニは横に歩く 自立障害者たちの半世紀』(講談社)
『ゆめいらんかね やしきたかじん伝』(小学館)など。
第4回 堀あきこ(ほり・あきこ)
専門はジェンダー・セクシュアリティ、メディア文化。主な著作に『BLの教科書』(共編著, 2020, 有斐閣)、『欲望のコード―マンガにみるセクシュアリティの男女差』(単著, 2009, 臨川書店)『ジェンダーで学ぶメディア論』(共著, 2023, 世界思想社)、「だって、ネットの話でしょ?―インターネットの差別に抗う」(2022, 『シモーヌ 特集:インターネットとフェミニズム』 , 現代書館)など。
第5回 伊是名夏子(いぜな・なつこ)
1982年生、沖縄出身、神奈川県在住。著書「ママは身長100cm」。東京新聞・中日新聞、ハフポスト等で連載中。骨の弱い障害「骨形成不全症」で電動車いすを使用。「障害者は助けてもらうのではなく、お互いに助け合う存在」をテーマに全国各地・海外で講演。ファッションショーや舞台、映画でも活躍。好きなものはパンダ、フェミニズム、体と環境にいいこと、包括的性教育。
一般社団法人ふぇみ・ゼミ&カフェ ふぇみ・ゼミ講座担当:熱田・谷
TEL:090-9816-7170 MAIL:femizemi2017@gmail.com