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2017年に中国で劇場公開された『二十二』(監督・郭柯)は、撮影当時存命中の、中国に居住し、名乗り出た日本軍性暴力被害者22人を取材したドキュメンタリー映画である。歴史的な背景を語らず、被害者の日常にフォーカスしたこの映画は、中国政府の「愛国」主義と一線を隔すと受けとめられ、大ヒットとなった。そこにあるのは、監督の言葉を借りれば、「歴史の証人」ではない、「素朴」で「普通」の老人としての被害者の姿だった。 しかし、旧日本軍の戦時性暴力を訴えてきた被害者たちは、実際には激しい「怒り」を持ち、日本政府の責任追及の先頭に立ってきた。映画『二十二』は被害者の怒りを削ぎ落し、中国内外の観客が求める被害者像を見せたのである。 『二十二』のヒットが問いかけるのは、被害国でも長らく排除、差別の対象となって来た戦時性暴力被害の訴えを、一面的な理解で「愛国」と同一視する「リベラル」な観客の問題であり、かわいそうで健気な被害者を観たい観客の保護主義的欲望である。このような点から見れば、中国社会と日本社会は驚くほど共通性がある。 本講座では、中国の社会背景、日本軍戦時性暴力被害者の運動について解説しつつ、被害者を弱者として描くことの問題性について考えたい。
2024年4月14日(日)
「18:00-20:00」「日曜日」「オンライン併用」
北区、 不特定
オンライン開催(字幕あり、会場・オンライン併用)
どなた様も
2024年5月31日(金)
ご予約・詳細 https://eastasianmovie.peatix.com/
・お申し込みの締め切りは 5月31日(金)23:55までです。
・お申込み時点ですでに終了している回につきましては、後から配信でご覧いただけます。
・zoomでのリアルタイム参加を希望される方は開始時間の1時間前までにはお申込みください。それ以降の直前のお申込みには対応できないことがあります(その場合、後から配信でご覧ください)。
映画はいつも、社会の「本音」を映してきた。 ヒットする映画には作り手の意図と同時に、観客の求める欲望が映し出されている。 本講座では、韓国のアカデミー賞作品・『パラサイト 半地下の家族』、実はヨーロッパなど海外に多く輸出されている朝鮮(DPRK)のアニメーション、近年注目を集める台湾のLGBTQ映画とホラー映画、中国でドキュメンタリー映画の興行記録を塗り替えた『二十二』、香港でロングラン上映となった、実際に起きた介護施設の性暴力事件をとりあげた『白日の下』(予定)など旬の映画をとりあげ、そこに映し出された現在の社会を解説する。 映画を見たことがある人はより理解が深まり、見たことがない人はこれから映画を見るために役立つ講座である。
¥1,800/1回券(一般)
¥1,500/1回券(学生)
¥8,600/5回通し券(一般)
¥7,200/5回通し券(学生)
第5回5月12日(日)18:00-20:00 オフィーリアさん
「新しい香港映画:外国人労働者から調査報道記者まで女性記録者への注目が明らかにする社会の下層と深層- 「白日之下」(2023)と「淪落の人」(2020) 」