DVDの制作・配布　～"高齢者施設"と"オンライン"の壁～

NPO法人プラチナ美容塾（港区）

シニア自身が美容を「学び」、学んだ知識と技術を高齢者施設や障がい者施設でのボランティア活動に「活かし」、地域でのイベント活動等に参加し美容を通じて地域社会と「つながる」。プラチナ美容塾は、この3つのサイクルを通して、プラチナ世代が素敵に輝くよう推進活動をしている団体です。

新型コロナウイルスの影響に伴い従来の活動をすべて自粛することになった中、定期訪問していたおよそ15か所の施設には、新型コロナウイルスの対応で疲弊した職員と外部との交流が断たれてうつ気味の利用者、というひっ迫した状況のところがいくつもありました。そこで、「再開の見通しが不明だからといって、この事態に何もしないで待つだけでは辛い」と、こみ上げてくる想いをバネに奔走する日々。高齢者施設においてZoomやYouTubeなどの活用は、ハード面でもソフト面でも壁が高く、短期間で突破するには難しいことでした。どうにかリモートの環境でボランティア活動をできないか、と模索した結果、各施設にすでにある設備（DVD再生機）を使用できること、繰り返し鑑賞してもらえること、施設内イベントがなくなり集う機会を失っている利用者に気分転換の場を提供できることから、DVD制作へ踏み切ったそうです。

5月初旬に誰もが知っている童謡を収録したDVD40枚が完成。しかし配布寸前に、著作権の問題が浮かび上がり、急遽別のものを制作することに。理事たちの連携チームワークで誕生した２作目は、題して『歌って覚えよう！プラチナハンドケア』。感染予防の手洗いで荒れてしまった手のトリートメントと指マッサージ、さらにストレス解消効果のあるハンドケアの方法を、歌と映像で伝えています。手の動きの映像にあわせて、ハンドケア方法の歌詞をオクラホマミキサーのメロディーに乗せてママと子供に歌ってもらい、3分程度にまとめました。完成したDVDは、各施設へご挨拶しながら理事長・副理事が車で廻って配るそうです。

「ニューノーマルを迎え、リモートボランティア活動を視野に...。このような緊急事態だけでなく、いつでも対面に代わる社会的支援の必要な人の個別の見守り体制を構築したい」「離れていても、１人でいても、欲しいときに繋がりあえる事を模索したい」と理事長の伊藤さんは訴えます。高齢者施設のIT化も、引き続き課題の一つとして模索を続けています。
(2020/5/25 取材)

『歌って覚えよう！プラチナハンドケア』の動画は、こちらからご覧いただけます。
https://youtu.be/hHl2AHiHYVY




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