特定非営利活動法人 日産労連NPOセンター「ゆうらいふ21」

日産労連NPOセンター「ゆうらいふ21」では障がいを持っているため、なかなか劇場に来られない子供たちや介護をする家族・関係者に舞台の感動を味わってもらいたいとの思いで招待観劇会と訪問観劇会の2つを柱に活動を進めています。
この歩みの始まりは1976年にさかのぼります。当時、福祉活動について討議した際、「そもそも福祉対策は行政が行なうこと」や「組合員の相互扶助制度のさらなる充実に力を入れるべき」などの意見が出されました。しかし、組合員の一人から「会社にも労働組合にも言っていないが、私の子供は障がいを持って生まれてきた。私はこうして元気に出勤をしているが、妻の苦労は並大抵ではない。障がいを抱える親子に焦点を当ててくれる活動の提案は私たち親子に大きな勇気を与えてくれる」との発言があり、討議の雰囲気が一変しました。この発言を契機に「元気に職場で働く組合員しか見てこなかった」、「組合員一人ひとりを地域社会での生活者として見てこなかった」、「家族を含めて生活者の視点や発想は無かった」などの反省が生まれ、組織的な福祉活動推進への道が拓かれました。そして、組合員一人ひとりが組合費とは他に一人月額1 00円を拠出する『福祉基金』を設立することとなり、福祉活動の運営に充てています。その後、この活動の輪を労働組合だけではなく、多くの地域社会に広げるために2004年に特定非営利活動法人・日産労連NPOセンター「ゆうらいふ21」を設立し、私どもの活動に賛同をいただける多くの皆様にもご支援・ご協力を賜り、現在に至っています。
活動の柱の一つ目は『クリスマスチャリティー公演』で、心身にハンデキャップをもっている方々にいつまでも思い出に残る舞台をプレゼントする招待観劇会です。二つ目が『クリスマスチャリティー公演』に参加したくても諸事情から参加できない方々の施設に出向く訪問観劇会の『チャリティーきゃらばん』です。いずれも組合員がボランティアとして舞台や会場の設営をはじめ来場者の誘導やサポートなど劇団のスタッフと一緒になって運営に携わるとともに来場者の方々と直接的に交流がもてる参加型です。
今回は招待観劇会の『クリスマスチャリティー公演』をご紹介します。『クリスマスチャリティー公演』は劇団四季によるファミリーミュージカルの上演で1976年にスタートして以来、42年目を迎えました。この『クリスマスチャリティー公演』は毎年11~12月のクリスマスシーズンにかけて開催しており、今年(2017年)は全国各地で22公演を開催しました。そして、11月13日(月)の新潟公演で通算公演回数1,000回を達成し、これまでの間、延べ44,000施設、127万人を招待しました。今後もこの活動の輪を地域社会に一層広めることで、相互扶助の精神を地域社会に根付かせ、日本における社会福祉の向上に努力してまいります。
日産労連NPOセンター「ゆうらいふ21」:http://www.u-life21.or.jp/