クラブツーリズム株式会社

地域の社会福祉協議会との連携で実現した介助付温泉入浴
クラブツーリズム株式会社ユニバーサルデザイン旅行センターは、1997年から「旅をあきらめない・夢をあきらめない」をコンセプトに、高齢者や障がい者に参加いただける旅行を企画、運営してきました。
ツアーの内容は、日帰りの交流会やバス旅行、北海道から沖縄までの国内旅行、そして海外旅行はハワイからペルーのマチュピチュやヨーロッパ、南アフリカまで幅広くご案内しています。 年に一度は、国内の温泉地で「ドリームフェスティバル」というイベントを実施しています。 このイベントで、参加者に一番喜ばれていることが温泉大浴場での介助付入浴です。地域との連携によって実現したこの仕組みについてご紹介します。
きっかけは、2011年3月11日に発生した東日本大震災でした。それまで長野県上諏訪温泉で5年ほど実施していたドリームフェスティバルは、車いすや杖を使用されている高齢者や障がい者、多いときには付き添いの方も入れて150名ほどの方々に参加いただくイベントでした。 3.11の震災後、私たちは何とか旅を通じた東北の応援ができないかと考え、上諏訪で実施していたイベントを東北で実施することにしたのです。
5月には松島の観光関係者との打合せを行い、9月下旬の実施に向けて動き出しました。
普段は様々なサポートを受けながら生活されている高齢者や障がい者の方々も、あの時は何か東北のために動きたいという思いの方も多く、宿泊して、お土産をたくさん買って、東北で旅を通じてお金を使って支援しましょう、という主旨に賛同いただいた方は総勢200名、車いす使用者も40名ほどお申込みいただきました。
これだけの人数になると、クラブツーリズムに登録されているトラベルサポーター(介護職員初任者研修以上の資格保持)だけでは、入浴の介助の手が足りません。この時は、東北福祉大を通じ介護経験のある学生数名に介助をお願いし数名の学生の協力で介助付入浴は実現しました。
翌年は、福島のいわき湯本で同イベントを実施しましたが、ここから地域との連携の仕組みができあがりました。(社)いわき観光まちづくりビューローを通じ市の社会福祉協議会から市内のデイサービスに入浴介助の協力を仰いだのです。
当日は、日常入浴の介助をされているプロとトラベルサポーターの連携で多くの参加者に安全に温泉入浴をお楽しみいただけました。中には十数年ぶりに大浴場の温泉に入ることができたと喜ばれる方もいらっしゃいました。
以降、毎年場所を変えて実施するドリームフェスティバルでは、行政から社会福祉協議会、そして地域のデイサービスという連携の仕組みができあがったのです。
クラブツーリズム: http://www.club-t.com/theme/barrierfree/