株式会社アーダブレーン


社会福祉法人ときわ会サングリーン(以下サングリーン)の皆さまに作っていただいている『お米と椰子の手作り石鹸』は、株式会社アーダブレーン代表取締役佐藤の親族が被災した東日本大震災と、東洋大学の学生団体であるISR ConnActionを率いる小早川准教授との出会いがきっかけとなりスタートしたプロジェクトです。
佐藤の両親は宮城県石巻市の沿岸部出身で、震災当時も石巻市周辺に暮らしていた多くの親族が津波で命を落としたり、住まいを失ったりしました。 蛇口をひねれば当たり前のように水は出ますし、コンセントにさせば同様に電気が流れます。その当たり前の日常は、たまたま絶妙のタイミングで回っていたにすぎず、それはとてつもなく有り難く穏やかな世界であったことを、身に沁みて認識させられたのが「東日本大震災」でした。しかし、喉元を過ぎると忘れてしまうのが人です。そこで、「忘れない・続ける・想いを寄せる」という理念で、「つめから」という活動を2015年3月11日より始めました。
被災地で活動を続けていく中、障がいをお持ちの方は仕事が少ないという現実を知り、福祉関連に依頼できる仕事を作る活動も始めました。その一つとして、福祉作業所で作られた環境に優しい純石鹸を拡めたいと考え、お世話になっている生協さんにご紹介いただきましたのがサングリーンさんでした。
ISR ConnActionの皆さんは、2013年11月の台風『ヨランダ』で被災したフィリピンの皆さまを、少しでもサポートさせていただきたいという想いで、フィリピン産の椰子油を日本で拡める活動を計画していましたが、なかなか学生だけで活動を進める事が難しい状況でした。同年5月31日、共通の知人を通じて、東洋大学の小早川准教授と出会い、お互いの活動についてその場で話し合った途端、意気投合。フィリピンの椰子油を拡める活動のお手伝いをさせていただくことになりました。小早川先生は、元々フィリピンの貧困層の研究者で、所縁があるフィリピンの皆さまを少しでも支援したいと活動なさっていました。
当初、食用として椰子油を拡める計画でしたが、国内のマーケットは飽和状態ですし、食用で瓶詰めできる工場もなかなか見つかりませんでした。
同年12月、食用での販売が難しい状況でしたので、化粧品原料として販売が可能かを、化粧品原料の輸入ベンダーさんを交えて東洋大学内で協議しましたが、そちらも食用同様でした。その協議中、「ピンッ!」ときたのがサングリーンさんの純石鹸でした。
サングリーンさんの純石鹸の処方を変更させていただき、フィリピンの椰子油を配合し、よりクオリティの高い石鹸に仕上げ、一人でも多くの方に石鹸を使っていただくことで、福祉と環境と、フィリピンの支援に繋げたいと考えました。
直ぐに、このプランをサングリーンさんにご説明させていただき、快くこの企画にご協力いただくことをご了承いただきました。当然ですが、これらを学生たちだけで行うことは困難です。
そこで、伯東ライフサイエンス(TAEKO化粧品)さんに、油の分析、石鹸の処方開発、包材の検討を無償でご協力いただきました。
ちなみに、この石鹸は約90日の期間を掛けて丁寧に作られます。
現在、お陰さまで石鹸は無事に完成し、少しずつですが、売り先を広げつつある状況です。
この石鹸の企画を一つのモデルケースとし、今後は他の地域にも拡げていけたらと考えております。
フィリピンのサポートをしたいと思い活動を続けた結果、学生たちも私たちも、逆に多くの方に支えられていたことに気付きました。まだまだ駆け出しの企画ですが、福祉と環境をテーマに、これからもサングリーンさん、東洋大学ISR ConnActionさん、『つめから』の三位一体で進めてまいります。
株式会社アーダブレーン:http://www.ardorbrain.co.jp//