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日本ヒューレット・パッカード株式会社

障害のある人の人財育成の職場としてのシードセンター

日本ヒューレット・パッカード株式会社では、障害のある人が、様々な実務を経験しながら技術・能力、職業意識を高め、企業が求める力をつける人財育成の場として、シードセンタ―を2001年に設立しました。このセンターは、障害者雇用において、障害のある人のために企業として何ができるかを考えた答の一つとして生まれたものです。シードセンターの「シード」は、英語で「種」を表す「SEED」に由来し、「自らの意思と力で芽を出し、花を咲かせようとするシード(種)たちを支援する」ことを意味しています。バリアフリーが完備されている本社ビルの一階に配置され、広々としたスペースで、知的、身体、精神の障害のある人達たちが所属しています。

シードセンターで働く障害のある人は1年更新の契約社員で、契約期間は2年間です。1年目は社会人として必要なマナーやルール、ビジネスに必要なソフトの使い方等を学ぶとともに、実際にデータ収集や資料作成などの業務に携わり、組織の中での仕事の進め方を身につけていきます。2年目からは実践的な形で社内の仕事の現場を体験し、自分の目指すキャリアの方向や適性を考え合わせながらスキルアップを図ります。

シードセンターを終了した人の多くは、社内の各部門に配属されるISC(インターナルサービスセンター)、またはシードセンターで引き続き業務を遂行するSSC(シードサービスセンター)に所属となります。ISCはビジネススキルと実務経験をもった障害のある人と、即戦力を求める社内の各部門とを橋渡しし、その人に最も適した職場で能力が最大限に発揮されるようマッチングを行い業務遂行をサポートする組織です。現在14名がISC所属となり、必要なサポートを得ながら様々な部署でこれまで培ったスキルやキャリアを生かして活躍しています。一方SSCは、社内の様々な部署からの委託業務をシードセンター内で行い、現在5名が所属しています。

インタビューさせていただいたMさんは、入社5年目となり、現在ISC所属で日本ヒューレット・パッカードの顧客を対象とした商品の満足度に関するアンケートの集計や資料作りを担当しています。シードセンターで培った高いPCのスキルやプレゼンテーション能力だけではなく、アンケートの集計結果を基にした業務改善のための提案内容が素晴らしく、今では職場において無くてはならない存在となっているそうです。Mさんは、「苦手なことがあっても、それとは別に得意な部分を評価し、仕事を任せてくれるので、ここまで続けてくることができた。」とおっしゃっていました。日本ヒューレット・パッカードにはグローバルカンパニーとして「ダイバーシティ&インクルージョン」という考え方が浸透しており、まさにMさんの事例はその考えを体現していると言えます。障害のない社員にとっても普段の業務や行事を通じて日常的に障害のある人と接することにより、お互いを理解し、信頼し合える関係を築くことができているようです。

シードセンタ―を終了した人は、設立以来17年間で90名になります。ISC、SSCはもとより、他の企業に就職した人たちもそれぞれの職場で活躍しています。現在、このような障害のある人の就労を支援する職場をもつ企業は少なく、シードセンターは企業の障害者雇用の先進的な取り組みと言えるのではないでしょうか。

【取材・記録】東京ボランティア・市民活動センター

日本ヒューレット・パッカード株式会社: https://www.hpe.com/jp

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