ゴールドマン・サックス
障害のある高校生とのキャリアメンタリング

ゴールドマン・サックス(以下、GS)では、毎年4~8月に、社員がチームでボランティア活動を行う「コミュニティ・チームワークス(CTW)」を実施しています。教育や、福祉、環境、プロボノなど、100近いプログラムの中から、社員が興味のある活動にエントリーして参加しています。その中のひとつとして、とても人気のあるプログラムが、障害のある高校生へのキャリアメンタリングです。
この活動は2008年に、多摩地域にあるあきる野学園と青峰学園という2つの特別支援学校との連携でスタートし、今年で10年目になりました。参加した高校生や学校の先生にもとても好評だったので、2011年からは東京都教育委員会にご協力をいただき、都内のすべての特別支援学校を対象として実施しています。今年も約30名の高校生の参加希望があり、2日に分けて開催しました。なお、プログラムの運営は公益社団法人ジュニア・アチーブメント日本が協力しています。
このキャリアメンタリングの目的は、特別支援学校に通う肢体不自由な高校生たちが、企業各社でのインターンシップに行く前の準備として、GS社員と面接の練習を通して自信をつけてもらおう!というものです。当日は、社員と高校生がマンツーマンのペアになり、子どもたちが短所だと思っていることが、表現の仕方次第で長所に変わることや、面接の際の目線や態度などを社員が具体的にアドバイスしています。
午前10時に都内各地から高校生が車いすに乗って、六本木ヒルズ47階にあるGS社に集まってきます。電動車いすを利用していたり、流動食しか食べられないといった重度の障害を持つ子どもたちもいます。まずは、アイスブレークで子どもたちと社員が自己紹介をし、その後、子どもたちが事前に作ってきた「自己アピールカード」を社員と一緒に手直しします。そして、オフィスツアーをした後、ランチをとりながら交流。午後は自己アピールカードをさらにブラッシュアップさせて、それを使い、社員と面接の練習をします。ペアを変えながら何度か実施し、最後には参加した高校生や先生、社員、全員が感想を言って、終了となります。
毎回、高校生からは、「最初は緊張したが、社員の皆さんからの的確なアドバイスがとても参考になった。これからの就労や進学での面接に活かしていきたい」という前向きなフィードバックがたくさん寄せられています。また、付き添いの先生からは「子どもたちは、普段の学校の様子とは全く違い、社員さんたちのアドバイスをとても真剣に聞いている」というコメントが。
一方、社員たちは、1日のプログラムだけれど、子どもたちが大きく変化していくことに驚いているようです。「子どもたちが、自分の障害や大変な状況を乗り越えて、あるいは、それをバネにして成長していこうとする姿に力強さを感じる」、「今までいろいろな人に支えられてきたから、将来は自分が支援できる人になりたいという子どもの言葉に感動した」など、高校生のポジティブなエネルギーをたくさん受け取っているようです。
【取材・記録】東京ボランティア・市民活動センター
ゴールドマン・サックス:http://www.goldmansachs.com/japan/citizenship/index.html