UBSグループ(UBS証券株式会社、UBS銀行東京支店、UBSアセット・マネジメント株式会社)
聴覚障害のある子どもたちと社員との『異言語脱出ゲーム』

UBSグループでは、東京ボランティア・市民活動センターと協働して、『多様な子どもたちの架け橋プロジェクト』を2008年より実施しています。本事業の目的は、多様な背景や文化を持つ子どもたちが自分たちの個性に自信をもち、積極的に社会に参加していくことを支援することです。参加する子どもたちは、児童養護施設に暮らしていたり、母子家庭だったり、外国にルーツがあったり、聴覚障害のある子どもたちです。年間を通して、多彩なプログラムが展開されますが、全てのプログラムに社員が積極的に参加しています。
こうしたプログラムの1つに、聴覚障害のある子どもたちと社員が交流する『異言語脱出ゲーム』というイベントがあります。このゲームは金町学園で働く聴覚に障害のある職員が2か月をかけて作り上げたものです。今年は、6月25日(日)に、大手町にあるUBSオフィスの会議室で実施しました。UBSでは社員の使用言語や文化も様々なので、手話もそのひとつとしてとらえていて、聴覚障害のある人の雇用や聴覚障害の子どもたちの教育に取り組んでいます。
当日は、聴覚障害児施設である金町学園の子どもたちや関係者71名とUBS社員45名が参加しました。このゲームの目的はチームビルディング。音声言語(日本語他)を使う社員の人たちと視覚言語(手話)を使う聴覚障害のある人たちが5~6人のチームになり、声は出さず、コミュニケーションを工夫しながら、各自の持つ経験や知識等の力を出し合って、謎を解き、様々な課題を解決していきます。
まず、最初に簡単な手話を学び、ゲームの説明がありました。そして、いよいよゲームの開始です。大きなスクリーンに『United Beauty Style Corporation(UBS)』という架空の会社の社長が登場し、「最新の化粧品を作れ!」というミッションが参加者全員に与えられました。それを受け、各チームで協力して、各部屋に用意された謎を解いていきます。制限時間は90分間でしたが、時間内に脱出したチームはなく、予想以上に難しかったようです。
ゲームの後は、チームごとにランチをとりながら、各課題の解説や優勝チームの表彰があり、最後の振り返りをしました。参加者のほとんどが、異言語脱出ゲームは「難しかった」けれど、「全員の力で乗り越えられたことがよかった」と回答しています。また、「手話を教える・学ぶ時間があったのでよかった。」、「筆談、ジェスチャー、手話を織り交ぜてコミュニケーションを取ろうとしたが、制限時間が迫るとコミュニケーションで相手への配慮を欠く場面もあった。」等のコメントが寄せられました。UBSグループ社会貢献担当の堀久美子さんは、「障害による"できない"ではなく、例えば聴覚障害で視覚情報分析が迅速正確など、"できる"ことを伸ばし、多様性が強みになることを体験してほしい」と語っています。
【取材・記録】東京ボランティア・市民活動センター
UBS: https://www.ubs.com/jp/ja/about/csr/community.html社会福祉法人 東京愛育苑 金町学園:http://www.kanamachigakuen.com/service.html