東京ヤクルト販売会社


本人向け身だしなみ教室 『ちゃーみんぐ』の開催
狛江市手をつなぐ親の会(以下、親の会)では、2008年より年に1~2回、知的障害のある人たちのための活動として、身だしなみ教室『ちゃーみんぐ』を民生委員はじめ市内のロータリークラブ、企業の方々にもご参加いただき一緒に活動しています。この教室を始めるきっかけは、杉並区の知的障害者施設で行われていた身だしなみ(お化粧)教室を見学した親の会のメンバーが、外面の変化(お化粧の力)が内面に及ぼす影響力の大きさを実感するとともに、このような体験が障害のある人たちの日常からとても遠い場所にあると感じたことでした。狛江市でもこのような教室を開催したいと希望したところ、講師として、東京ヤクルト販売会社の化粧品部スタッフが協力してくださることになり、『ちゃーみんぐ』がスタートしたのです。
ちゃーみんぐでは、プロの美容スタッフや講習を受けた民生委員から、個人の好みに応じたメイクをしてもらいます。女性はきれいになると、目が輝き笑顔になります。また、「次は私の番!」と美容スタッフが真剣に向き合ってきれいにしてくれるという時間がとても貴重なようです。一方、男性は、男性の民生委員から、ハンドマッサージや身だしなみ(ネクタイの結び方等)を教えてもらいます。女性がお化粧をするのと同様に、男性もネクタイをすると自然と背筋が伸びて大人の顔になります。「おおっ!」という周りの声に照れながらも、本人の自信に繋がっているようです。
この教室の立ち上げに関わった東京ヤクルト販売会社のスタッフは、「始めにこの教室のお話を伺った時には、『ヤクルト化粧品を通して、化粧の仕方、楽しさ伝えること』と思っていましたが、いざ始まってみると日常生活の基本である『清潔に顔や手を洗うこと』も彼らにとって大変なことだと分かりました。手探りで工夫を重ねるうちに、安心して顔を預けてもらえるようになり、これが『つながる』ことなのだと心から感じました。」とおっしゃっています。また、現在に至るまで長く携わっている東京ヤクルト販売会社のスタッフは、「今では、親の会の本人もご家族も街でお会いすると、皆さん声をかけてくださいます。民生委員さんにお手伝いしていただきながら、お化粧をしに行くというより、皆さんに会いに行くという感じです。」とおっしゃっています。
身だしなみ教室を通じ、地域の中で、障害のある人もない人も互いに信頼関係を築き温かい交流が続いています。
【取材・記録】東京ボランティア・市民活動センター
【参照 手をつなぐ 2011年3月号 】
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