株式会社アークミール

『障害のある人たちのお店で研修&ボランティア』
大手レストランチェーン、株式会社アークミールでは障害のある人の雇用を進めています。そのため、店長さんたちが障害のある人たちとの働き方を学びたいということで、障害のある人たちが働いている飲食店でお手伝いをしていただくことになりました。
障害のある人たちのパン屋さん
2016年1月15日、知的障害のある人たちが働くパン屋さん新宿区立新宿福祉作業所「エスポワール」で5名の店長さんが活動しました。
最初は、緊張した表情でしたが、障害のある人たちが「おはようございます!」と明るいあいさつで迎えてくれました。持参した白い帽子とエプロンを身に着け、作業の説明を聞き、とてもスムーズに作業開始。ランチは販売しているパンを試食し、その後、近くの地下鉄の駅前のお店を見学に行ってきました。
15:00に障害のあるスタッフの人が「お疲れさまでした~!また、来てね~。」と明るく帰っていった後、作業所の職員の方と店長さんとの振り返りをしました。
店長さんは、「障害のある人たち1人ひとりにあった作業内容や目標が設定されていて、とてもいきいきと働いている」、「ありがとうと声をかけあって、作業所の雰囲気がとてもよい」、「こうした職場づくりは、障害のある人だけではなく、主婦や学生のバイトさんにとっても働きやすくなるのではないか」とコメントしました。
また、販売店の10メートル先からパン屋があるということがわかるような仕掛けが必要であったり、異物混入のリスクを回避する方法などのアドバイスがありました。
障害のある人たちが働くカフェ&レストラン
1月19日には、豊島区で社会福祉法人豊芯会が運営するレストランとカフェの2か所に分かれて活動しました。ここでは精神に障害のある人たちが働いています。
店長さんの調理や配膳のお手伝いも接客も動きがとても美しく、さすがです。ランチになると、近所の高齢者の方々が集まってきて、スタッフと会話を楽しんでいます。
豊芯会では高齢者の方々に配食サービスもしており、店長さんはそれにも同行させてもらいました。お弁当は相手の方にあわせて、食べやすい大きさや硬さになっています。
体験の後、店長さんとお店の方との振り返りをしました。店長さんからは、「地域の人たちとのつながりをとても大切にしていることがわかった」というコメントがあり、また、安全で効率的な動線や、常連客以外の人にも来てもらえるような広報の仕方などをアドバイスしました。
双方にとって、多くの気づきや学びがあった研修となったようです。アークミールの人事部は、今回の経験を活かして、店舗での障害のある人の雇用や育成にさらに積極的に取り組んでいきたいとのことでした。
【取材・記録】東京ボランティア・市民活動センター
新宿区立新宿福祉作業所:https://www.s-fukusaku.com/index.htm