サントリー労働組合SWH支部


障がいのある人たちが作ったお菓子の販売拡大
2016年春、サントリー労働組合SWH支部の若者たちが東京ボランティア・市民活動センター(TVAC)を訪問し、労働組合で何かボランティア活動をしたいというご相談がありました。
東京にあるさまざまな社会課題とそのためのボランティア活動をご紹介した中で、彼らが関心をもったのは、自分たちのビジネススキルが活かせる活動でした。
つまり、障害のある人たちが作ったお菓子の販売を拡大することによって、障害のある人たちへの社員や社会の理解と彼らの工賃をアップしようというものです。
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「企業内でのハートフル販売会」&ミニセミナーの実施
練馬駅から徒歩10分ぐらいのところに社会福祉法人花水木の会「かすたねっと」があります。 そこでは約20名の知的障害のある人たちが毎日クッキーやカヌレ、パウンドケーキなどの美味しいお菓子を焼いています。まず、「買う、知る、ボランティア」というテーマで、ここのお菓子をランチタイムとアフターファイブに会社の中で販売することにしました。そして、夕方の時間帯には、ミニセミナーも開催し、障害のある人たちと一緒にお菓子作りをするボランティアや、発達障害の子どもたちにPCを使った学習を支援するボランティア活動を紹介しました。
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障害のある人とお菓子づくりで交流
そして、「かすたねっと」での活動には5名の社員ボランティアが集まりました。
実際には、知的障害のある人たちにお菓子作りを教えてもらいながら、なんとかアップルパイやクッキーを完成。「まさに、職人ですね!」と絶賛します。
店長さんからは、「障害のある人たちが地域社会の中でしっかり働いているということを皆さんに知ってもらえてうれしい。」というコメントがありました。さて、この経験とお店のスタッフの方からのヒヤリングをもとに、いよいよビジネススキルを活かしたボランティア活動がスタートします。 -
プロボノとして改善策の提案
まず、取り組んだのは、「かすたねっと」のカフェでは、焼き菓子と「福餃子」が食べられるのですが、このカフェにもっとお客さんが来るようにしたいというものでした。理事長さんにヒヤリングをしたり、社員にアンケートをとったりして、頻繁にメールでやりとりしながら、外観のコンセプトや集客のための提案をしました。もうひとつは、企業内販売会マニュアルを作成し、今後、他の企業でも販売会をする際に活用してもらうことにしました。このマニュアルはTVACを通して、他の企業や団体にも無償配布しています。
今回のプロジェクトのリーダーで、本業ではデジタル・マーケティングを担当している山崎充史さんは、「障害のある人と出会うことで、世界が広がり、人間として成長できたように思います。また、ビジネススキルを活かしてボランティアすることにやりがいも感じました。社内販売会では、『美味しそうだから買う』というキッカケで興味を持ってもらい、『障がいがありながらも美味しい商品を作れる方々がいること』も伝えていきたい。」と語ってくれました。
【取材・記録】東京ボランティア・市民活動センター
サントリーグループのCSR:https://www.suntory.co.jp/company/csr/ 社会福祉法人 花水木の会:https://hanamizukinokai.com/