有限会社さいとう工房


当社は、電動車椅子を開発製作販売している町工場ですが、車椅子とその技術(ハードとソフト)で、車椅子ユーザーの課題解決と可能性の拡大、そして生き甲斐の創造を目指して3つの取り組みを行っております。
① 日常の車椅子生活を快適に、楽しく活動できる6輪型電動車椅子の開発と販売
② アジアの車椅子分野の切実な課題を、日本だからできる国際協力『さくら車いすプロジェクト』
③ 障がいを持たれた方々の、生き甲斐や社会参加の種を、当事者と共に育てる『レルCommunity』です。
① 6輪型電動車椅子開発
日本では自立を促進させる多機能型電動車椅子は殆ど生産しておらず、当社は欧米製品を障害に合わせて改造し提供してきました。しかし日本人との体格や生活様式の違い、また高額でもありました。その中、アメリカでは過半数が採用している6輪構造は従来の4輪構造の欠点であった急な下り坂で危険な操作制御の課題や、旋回径がとても小さく狭い住環境の日本でとても可能性を感じました。そこで2010年頃より6輪電動車椅子の開発に取組み、数十台の試作の上に、日本人の体格や生活様式、狭い集合住宅のキッチンでの利用も目指した6輪型電動車椅子「レル・シリーズ」を生み出しました。6輪車椅子のJIS規格も2017年度に認められ、日本のトップメーカーも試作に入るなど、近い将来、日本の住宅や職場では6輪利用者のが、多くなると想像しております。
②さくら車いすプロジェクト
2005年のパキスタン地震の被災地で熱望された手動車椅子を現地で作りたいと志した青年への技術協力でそれが実現し、パキスタンにおける車椅子交付制度にまで発展しました。その上にこのプロジェクトは電動車椅子に特化し、日本で不要になった中古電動車椅子を全国の有志から提供頂き、50~60台になったらコンテナでパキスタンの障害者団体に送るものです。それを現地の障がい当事者が整備し配布できるよう、修理やシーティングの技術を伝えることを組み合わせた活動です。現在までに630台の中古電動車椅子を送り、整備された500台程がユーザーに届けられております。街中に多くの電動車椅子が走るようになりスロープなどバリアフリー化が進み、ノンステップバスも500台程導入されるようになりました。技術伝承の訪問も15回程行い、日本での研修も行っております。現在はネパール、モンゴル、コスタリカ等にも広がり始めております。
③ レルCommunityでの活動
当社では毎月『レルカフェ』という交流会を行っております。車椅子の人や墨田区の地元技術者、デザイナー、行政の人、看護師やセラビスト等々が自由参加で集まり、障害を持たれた方の課題や、社会参加、特に仕事における種を生み出し育てることを目指しております。今までには、ビルや駅などの清掃に使われている業務用掃除機に合体させる電動車椅子を開発し、障害者や高齢者でも車椅子を操作できれば、健常者以上に働けるお掃除車椅子が生まれました。また、車椅子ユーザーの人が当事者だから分かる車椅子グッズを自宅で製作しており、販路を広げたいと思っています。さらに、車椅子上で5分で着れる着物を活かし、それを販売だけでなく、成人式や七五三、敬老の祝いなど着付け付レンタルや写真撮影サービ考えております。こうした製品は浅草やスカイツリーの近くなので国内外からの来訪者へのお土産にもなるのではないかとプランを立てております。
有限会社さいとう工房: http://www.saitokobo.com/