ボラ市民ウェブ
TVACニュース

(2007年11月19日 / 青柳朱実 )

TVACレポート

2007年度「社会福祉施設等ボランティア・コーディネーター研究協議会」
〜社会の風:ボランティアと共に歩んでいくために〜 実施レポート

キーワード
施設ボランティア 、 コーディネーター 、 高齢者 、 障害 、 母子 、 保育 、 子ども 、 介護 、 マネジメント

画像滝沢淨さん「社会の風:ボランティアとともに歩む」

画像「施設におけるボランティア・コーディネート」

画像各分科会の報告

2007年度の「社会福祉施設等ボランティア・コーディネーター研究協議会」 は、テーマを 「社会の風:ボランティアと共に歩んでいくために」 として、ボランティア受入れの現状と課題について実践報告や意見交換を行いました。11月2日(火)国立オリンピック記念青少年総合センターにて開催。(143名参加)


今年度の特徴は、施設職員の入れ替りの激しい現状をふまえ、施設でボランティアを受け入れることの意義やコーディネートの方法などを、改めて確認したうえで、分科会へ進んだことです。



まず、 「社会の風:ボランティアとともに歩む」 と題し、滝沢淨さん (知的障害者入所更生施設「日の出太陽の家」施設長) が、施設でのボランティアの意義について話しました。 「"施設とは、ノーマライゼーション社会を作る先頭にいる"との認識を持とう。開かれた施設になることで、地域からの協力を得られる。ボランティアは、"あなたの仕事の通訳者""利用者と社会をつなぐ通訳者"です」 「施設の理念・ミッションを意識して仕事をしていますか? ボランティアを、ミッション達成の賛同者に! 職員はボランティア市場でのセールスマンになろう!」 という呼びかけに、参加者は目からうろこが落ちる思いで、改めて自分たちの役割を見つめ直したようです。



その後、当センター専門員の池澤良子より 「施設におけるボランティア・コーディネート」 として、コーディネートの基本的な流れとポイント、職員・ボランティア・利用者とのよい関係、リスクマネジメントなどについて、実践例を含めながら解説しました。また、 「なぜボランティアを受け入れるのか? 施設内での共有はできているか?」 「ボランティア受入れの課題とその原因は?」 などの問いを、ワーク形式で行い、参加者自らが現状分析できる時間を持ちました。



以上、午前のプログラムで確認したことをベースとして、午後は、高齢者、障害者、母子・児童のそれぞれの施設分野ごとに、ボランティア受入れの現状と課題について、実践報告と意見交換を行いました。


第1分科会(高齢者施設)では、 清水恵子さん (東京都同胞援護会 軽費老人ホーム ライトホーム園長) が、元・特別養護老人ホーム(フジホーム)生活相談員としての豊富な経験を生かしながら、事例報告を行いました。

第2分科会(障害者施設)では、 石塚麻里さん (知的障害者通所更生施設 久が原福祉園支援員) が、多様なフィールドからのボランティア受入れに工夫する実践を報告しました。

第3分科会(母子・児童施設)では、 五十嵐美奈さんと清水暁子さん (保育園・児童養護施設・児童厚生施設 興望館) が、乳幼児から青年、高齢者まで幅広い世代のコミュニティにおけるボランティア受入れやスクリーニングについての実践報告を行いました。


各事例報告に共通することは、ボランティアへのオリエンテーションや研修などを丁寧に実践していることです。法人や施設のミッションを、ボランティアへもきちんと伝えていくこと、そして、ボランティアを単なる人手ではなく「ミッションの賛同者」として、施設と社会をつなぐ役割を担ってもらうことが大切であると、再認識した今年の研究協議会でした。多忙な中参加者してくださった皆さん、ありがとうございました。今回の成果をぜひ施設で共有していただけたらと思います。


「社会福祉施設等ボランティア・コーディネーター研究協議会」 のプログラム


◆《参加者アンケートより》

「何気なく行っている業務を、あらためて体系的に学べた。細かい違いはあるものの皆が同様の悩みを抱えていて、そこからの脱却を目指し奮闘する姿を垣間見て、刺激を受けることができた」

「『職員もボランティアさんもみんな宝物』 をトップに聞かせたい。施設の理念をボランティアへも伝えるということ、今までしておらずショックだった」

「受け入れる側として理念をしっかりと持ち、それを伝え、一緒に楽しむ。同じ仲間として思いを共有することが大切なのだと思った」


情報を探す