(2009年10月6日 / TVAC )
トーキョー協働空間見学ツアーリポートその③
ファミリーセンター東京ベーテル
- キーワード
- 子育て 、 子ども 、 少子化 、 保育
※この情報は掲載期限を過ぎたものです。
ボランティアやNPOがつくる、まちの中で人びとが集い、ふれあい、つながる場所。
東京ボランティア・市民活動センターでは、こうした場所・拠点を『協働空間』と呼んでいます。
そして昨年度からは「素敵な協働空間の現場をみんなで見に行こう!」と呼びかけて、都内各所の協働空間を訪ねる見学ツアーをはじめました。
これまで訪ねた協働空間は以下の通りです。
(訪問順)
今回は江戸川区にある子育て支援団体「ファミリーセンター東京ベーテル」さんの見学リポートです。
東京ベーテルの概要
葛西駅からほど近い住宅街にあるマンションの1階。
階段のわきには色とりどりのべビーカー。
その扉の向こうからは、子ども達の元気な声が聞こえてきました・・・。
ファミリーセンター東京ベーテルは、子育てひろば。
毎週、月・水・金・ 土の午前10時〜午後4時までオープンし、0歳から概ね3歳までの子どもと保護者が利用しています。
年間の利用者はのべ4千数百名にのぼるとのこと。
2000年にこの地域で活動を初めてから、まもなく10年を迎えます。
「少しでも話せる相手がいる、それだけで人は楽になる」
代表の森木美佐子さんは地域福祉施設、病院、保母、老人ホーム、婦人保護施設(女性の為の駆け込みシェルター)等の施設でソーシャルワーカーをつとめた経験を持つ対人援助の専門家です。
そうした福祉の現場での経験が、ひろば活動の土台にあります。
「婦人保護施設にやってくるお母さんたちは、周囲から『母親なのに』と責められてばかりいた。しんどい思いをしているのに、話をきいてくれる人もなく、ひとり問題を抱え込んでいた母親たちの姿が活動の原点」(森木さん)
「話すこと、話を聞いてもらうこと」。
それがベーテルが活動のうえで大切にしていることです。
「普通のひろば」とベーテルのちがい
少子化が進むなか「子育て支援」が叫ばれ、近年各地で多くの「子育てひろば」が誕生しました。
しかし、「場所」と「プログラム」だけが用意され、肝心の「仲間づくり、地域づくり」の機能がないひろばも少なくありません。
「人との関わりを求めていった『ひろば』で、誰からも振り向かれることなく帰っていくお母さんもいる。『ひろば』にいくことでより疲れてしまったり、孤独感を深めてしまうこともある」と森木さんは言います。
子育てを一緒に考えてくれる仲間や先輩たちがいて、お茶を飲みながらほっとできる雰囲気がある。
それが他の「ひろば」にはないベーテルの最大の特徴です。
ここではお母さんたちは「お客さん」ではありません。
ベーテルひろば、そして地域で、子育てを通じてつながる「仲間」です。
ベーテルの10年の歩みが本になりました!
東京ベーテルの10年間の活動の歩みがこのほど本になりました。
本のタイトルは『ベーテル広場は一人でも来れるからいい!』
ベーテルを利用するあるお母さんの言葉が、そのまま本のタイトルになりました。
ベーテルがなぜ地域でこうした素敵な空間を生み出せているのか。
どうすれば、本当に求められる「ひろば」づくりができるのか。
実際の活動に裏付けられた貴重な実践のヒントが満載です。
ぜひご一読下さい。