(2014年10月29日 / 池田明彦 )
「世田谷らしい空き家等の地域貢献活用モデル」公開審査会&座談会
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「世田谷らしい空き家等の地域貢献活用モデル」公開審査会&座談会
平成26年10月26日(日)、世田谷区、世田谷トラストまちづくり共催の標記の事業へ参加しました。全国に「空き家」をどうするかという問題が広がっていますが、世田谷区では先駆的に空き家、空き室、空き部屋を活用して、様々な地域貢献活動に活用しようという試みをされています。
第1部の公開審査(今回は、「NPO法人にじのこ」/結果:採用)に続き、第2部の「空き家等の地域貢献活用をさらに広げるためには」のコーナーでは、昨年採用された団体の活動報告と今後の空き家等の活用についての座談会がありました。
座談会が特に興味深かったので、以下、メモ程度ですが、ご紹介します(メモ起こしのためニュアンス等異なる場合があります。あらかじめご了承ください)。メンバーは審査委員の方、昨年の採用団体(タガヤセ大蔵、きぬたまの家)、世田谷区、世田谷トラストまちづくりの方々7名です。
オーナーの1代目は「所有価値」に着目するが、2代目は「活用価値」に着目する。
オーナーへいかにアウトリーチするか。チームを組んで多様な視点からとりくまないとオーナーもこの事業についてピンと来ないのではないか。
理解ある不動産屋とのネットワークづくりが求められる。
市場に流れないような物件をいかに活用するか。
ルールづくりは「公」で、取組みは「民間」ですすめるのがよい。
貧困ビジネスと物件が競合するような部分が現実としてあるのではないか。
本事業の相談に来る人は、いわば「貸せない人」と「借りられない人」と言える。
空き家というより住み開き型の「空き部屋」をもっと活用するような方向がよい。
NPOは事業の拠点や事務所スペースを求めている。よい事例をもっとアピールしていくべきではないか。
長期的には固定資産税の優遇など、税制の課題もある。
家を借りるNPOの「信用」「信頼性」を相談窓口で提供できるかどうか。
「マッチング」と「サポート」の整備が必要ではないか。
契約段階で司法書士のサポートなどを受けられるとありがたい。
公の役割は、きっかけづくりやPRではないか。既存のルールに基づき柔軟な解釈をしてもらうようしてもらうのは個人のレベルではできない。
オーナーへ社会貢献の気持ち、モチベーションをどうもってもらえるか。
公への要望をするばかりでなく、市民として努力を惜しまない姿勢が大切。地域協働の仕組みをどう作っていくかが重要。
プラットフォームを民間との協働の中でつくっていくことが求められる。
以上の通り、多様な意見が出されました。空き家を活用するといっても、オーナーへのアプローチ、行政と民間の連携と役割分担、行政の各部署連携、民間の創意、支える制度やサポートなど様々な切り口があることが分かってきた座談会でした。