(2007年1月9日 / 菅野道生 )
ラーメンとボランティアの美味しい関係!?
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暮れも押しせまった昨年12月のある日、センターにかかってきた一本の電話。
電話の主はラーメン店のご主人で、「お店で募金を集めたので、どこかに送りたい」とのご相談でした。
なんでも一昨年、台風や地震など災害が相次いでいた時に、お店に募金箱(実際には「壺」でした)を設置。
寄付先を探して私たちのセンターにお電話を下さったそうです。
東京災害ボランティアネットワーク(東災ボ)が取り組む三宅島の復興支援活動http://www.miyake-kaze.net/をご紹介したところ、そちらにご寄付をいただけることになりました。

12月27日、募金を受け取るため、東災ボ・スタッフの福田さんと2人でお店に伺いました。
お店の名前は東京屋台ラーメン翔竜(しょうりゅう)。
南千住駅から徒歩2〜3分、繁華街の中心にあるお店は行列ができるほどの大繁盛。
お客さんが次から次へと来て大変急がしい中、ご主人の橋田泉さんにお話を伺うことができました。

「テレビで被災地の様子などを見て、何かできることはないかと考えた。せっかく店をやっているんだからお客さんにも協力してもらって募金したらどうかと思って。」と話す橋田さん。
お客さんも大勢協力してくれたそうです。
「でも、いざお金が集まってどこかに寄付しようと思ったんだけど、銀行に行っても義援金は受け取れないと言われ、区役所に電話してもわからないと言われてしまい困っていた。」とのこと。
私たちセンターにお電話いただき、支援先を見つけられたことを大変喜んで下さいました。
今回集まった募金は総額7,192円。
このお金は東京災害ボランティアネットワークを通じて、三宅島の復興支援活動にあてられます。

橋田さんは「子どもをめぐるいろんな問題にも関心がある。今回は災害救援ということだったが、次回は子どもに関する活動への募金をしたいと思っている。」と言い、今後も店頭での募金を続けたいという話をしてくれました。
「何かできることはないか?」そういう素朴な気持ちを「募金」という具体的な形にして、まわりの協力も得ながらできる範囲で取り組んでいこうとする橋田さんの姿勢は本当に素晴らしいと感じました。
大企業による多額の寄付に比べれば、お金の額はけして多くないかも知れません。
しかしこういったまちのお店がお客さんといっしょになって、社会のためにこうした活動に取り組んだという話を聞いて、本当に嬉しい気持ちになりました。
こんなあたたかなつながりが、どんどん広がっていくことで、きっといい地域やよりよい社会につながっていくのだと思います。
帰りがけに頂いた自慢のラーメンは掛け値なしに絶品の味!
トンコツのコクと人情にあふれた翔竜さんのラーメンに身も心もポカポカになった冬の夜でした。