セルフヘルプグループにききました
「団体を立ち上げたきっかけと、
活動のなかで感じること」
「どうして自助グループを始めたの?」
「活動していて感じることって?」
セルフヘルプグループ(SHG)を立ち上げたきっかけや、活動を続ける中で直面する課題や、やっていて良かったと感じる場面について、SHG9団体にききました。
当事者活動をはじめたきっかけ
- 自分の当事者性に特化したグループがなかったから。
- 大きなテーマのグループに参加していたが、自分たちの当事者性に絞った会があると良いと思い、立ち上げた。
- 希少な疾患ゆえ、当事者同士のつながりの場が必要だと感じました。
- 当事者でなければ共有できない子育ての困難さがあると感じていたため。
- 自分の「困り感」を話す場として、自分と同じ世代が集まれる場がほしかったので、対象年齢・年齢制限のある会を発足することにした。
- 「当事者」になって偏った情報に怯える日々だったが「『当事者』になったからこそできることがある」と考えるようになった。
多くのグループが「仲間に出会いたい」「自分のことを話したい、仲間の話をききたい」ということを動機に立ち上がっています。特に「つながりがほしい」という気持ちが強かったという声が多く寄せられました。
活動していて「大変だな」と思うこと
- 集まりやすいところで、使用料の安い会議室を確保したいが、難しい。
- 相談やシェルターに使える場所がなく、困っている。
- 運営・活動にかかる費用の全てを個人で負担しているのが現実。
- 運営を担うメンバーが足りない。
- 運営に関して、メンバーの間でズレが生じてしまった。
- 団体内で、トラブルが発生してしまった。
場所、お金、担い手、人間関係は、テーマに関わらず共通して抱えている課題です。会場については「年間通して固定的に利用できる会場がほしい」、「登録できる団体の対象に、SHGを含めてほしい」、「自助活動には割引価格で貸してくれる会場があるといい」などの声が多数寄せられています。
担い手については、一部のコアメンバーに負担がかかっていることが多く、「いますぐ担い手になってくれる人がほしい」という切実な声も耳にしますが、それに対し、運営メンバーに関係するトラブルを体験した団体では、「スタッフの増員は安易に行わない」、「他団体のイベントで知り合った人に直接声をかけている」、「判断基準となる会の理念、会則、内規などをみんなで作成した」、「中間支援に携わっている人をスーパーバイザーとして迎えた」など、慎重に対応している様子も見受けられました。
活動していて「よかった」と思うこと
- 同じ状況の者同士、認め合い、元気な気持ちになれること。
- 「場があることが救いだ」、「続けてくれてありがとう」の言葉を聞いたとき。
- 辛い話だけれど、当事者同士、そこから笑いが生まれたとき。
- 当事者でない人からも"励ましの言葉"をもらうこと。心の底から力が湧いてくる。
- 活動への参加を通してご自分の道を見つけた方がいたこと。
- 会の運営を自ら手伝おうとしてくれる参加者が絶えないこと。
課題や大変なことがある一方で、ありのままを語り合える人との出会いや仲間と過ごす時間が活動を続けていくモチベーションだけでなく、日々の生活や人生そのものの支えになるとの声が寄せられました。そのために、グループでは、「安心・安全な場を提供する」、「わかちあえる時間をつくる」、「つながりができるようにする」などを大切にして運営がされています。「ボランティアセンターに相談したり、愚痴を聞いてもらうことで解消している」というグループもありました。
工夫や息抜きをしながら、SHGを生活の一部として、上手に位置づけている様子がうかがえます。
(相談担当専門員 森 玲子)