新型コロナウイルス NPOから寄せられる相談とQ&A(相談の窓口から)

普段の活動ができない…
今だからできること

キーワード:NPO法人、NPO、当事者団体、セルフヘルプグループ、自助グループ、ボランティア、新型コロナウイルス


コロナ禍での社会の変容は、家庭内暴力や虐待、依存、経済的な困窮状態、孤立など、人々の生活や人生にも大きな影響を及ぼしています。そのような状況で、今まさに必要とされる活動を続けている団体や、新たな課題やニーズに取り組む団体が社会と人びとの暮らしを支えています。

一方、その他のNPOや当事者団体にとっては、普段の活動を「休止する」と決断することも、重要なことでした。活動の参加者、ボランティア、利用者、メンバー、地域のひとたち、いろいろな顔が思い浮かびながらも、お互いの安心安全のため、「必要な活動なのに…」と思いつつ、断腸の思いで決断をしたNPOがたくさんあります。そのようなNPO・当事者団体はいま、どうしているのでしょうか。「今だからできること」として、TVACに届いた声を紹介します。


これまで気になっていたことに取り掛かる
  • ずっと同じチラシを使っていたので、今の期間に新しいチラシやパンフレットを作成している
  • 法人化について、自分たちにいい道をちゃんと検討するために、NPO法人についてのオンライン勉強会をしている
  • 「いつか」と思っていた認定NPO法人の取得に向けて準備を始めた
  • 定款の見直しをしている
  • いつもより丁寧に事業報告書をつくっている

つながりをつづける
  • 利用者さんにお手紙を書いている
  • 会員向け通信を発行して、そこにスタッフの自粛生活中に始めたことや、楽しんでいることの日記のようなものを書いている。同じものをSNSにも投稿して、コメントが書かれれば、それも一緒に通信に載せている
  • スタッフミーティングの回数を増やした。運営のことを話すミーティングだけでなく、自分たちの日常のことを話すミーティングをつくった
  • 期間限定のLINEグループをつくった(普段は個人的な連絡先交換などはしていない)
  • オンラインで、それぞれが自宅から参加できる「ランチ会」をした

活動をオンラインで発信
  • これまでの講座の様子を、写真と文章でウェブに載せるコーナーを作った
  • 春休みに子ども向けにやる予定だったワークショップを、スタッフが自宅で自分で撮影してYouTubeで発信。これをきっかけに、普段の活動への参加につなげたい
  • 長時間の在宅生活の中で、私たちが取り組む社会課題について関心を持ってくれる人を増やしたいと、zoomで啓発イベントを開催。全国から参加があり、今までとは違う層の人たちが申し込んでくれた。しかし、会員や寄付者など、よりつながりの高い参加につなげるのは難しい
  • オンラインの公開講座を実施。集金の仕組みがなく、参加費徴収できないので収入にはならないが、たくさんの方が視聴してくれていることで、励まされる
  • 他のNPOに役立ててもらえそうなことを提供している。具体的には、自分たちが得意とするオンラインでの活動についてのノウハウやポイントを発信したり、相談にのったりしている
  • YouTubeが見られない人たちのために、活動のDVDを作成して配布している

今後の活動に備えて
  • 再開の判断の基準などを話し合っている。感染リスクの高い高齢者や持病を抱えた人もいて、緊急事態宣言や行政の対応だけを判断基準にするのは不安
  • 活動を再開するときに備えて「感染症対応マニュアル」を作成している。関係者から感染が出たらどうするとか、濃厚接触者だったら、どの範囲まで把握できるようにするか…とか。
  • 活動の再開に向けて、アルコールなど必要な備品の洗い出しなどをしている。2月の中旬に早めに休止したのは、アルコールやマスクが全然買えなかったためなので、早めに備えておきたい
  • 他の団体の運営メンバーとのオンライン情報交換会

この先の社会のために
  • 遠方からの「地元で活動したい」との声にこたえて、オンラインで「活動立ち上げの相談」にのっている。
  • 当事者として、いまどこかで一人、孤独を感じている人たちに向けて、自分の体験や思いをYouTubeで発信している。「ひとりじゃない」を届けたい
  • 今できるのは、「私たちは、ここでつぶれず、いつか再開するんだ!」という決意

(相談担当M)


新型コロナの中でのボランティア・市民活動 参考事例集「いま、できる活動って?」
  • 都内のボランティア・NPO団体にヒアリングをして、参考になる事例を集めてみました。

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