セルフヘルプグループに対する
新型コロナの影響
TVACには、さまざまな団体から相談が寄せられています。新型コロナウイルスの影響は、当事者主体の活動をしているSHGにも大きく及んでいます。SHGは、当事者同士が出会い・つながることを大事にしており、直接会う活動を主にしている団体も多く、これまで通りの活動が全くできなくなってしまったグループも少なくありません。さらに、難病等で感染リスクの高いメンバーがいるSHGは、他のNPOよりも早い時期から新型コロナウイルスの影響を受けていました。そして、運営メンバーと参加者の「安心安全」をどのように守っていくか、活動の再開に向けた判断は容易ではないと思われます。
一方で、SHGの活動は、たくさんの「当事者」「市民」にとって、なくてはならない存在です。月に数回のSHGの集まりで仲間に会えることで日々を過ごせている方もたくさんいます。その大切な場が休止となり、再開の見通しも立たない…。「仲間が昼間からアルコールを飲むようになってしまった」「ゲームに依存してしまって家から出ていない」という声も耳にするようになりました。そのような中、多くのSHGが、今できることや新たな活動の仕方を模索しています。
一部のSHGは、他の市民活動団体より早い時期から新型コロナウイルスの影響を受け始めていました。最初に相談が寄せられたのは2月のことです。それから徐々に、活動を休止する団体が増える一方、当事者が集まる場、いわゆるミーティングなどは3月まで、対策をとりながらなんとか開催したという団体もありました。「この活動が支えという人たちがいる」という切実な理由からでした。3月になると早くから活動休止をしていたSHGから「疲れた」という声が寄せられるようになります。緊急事態宣言が出された4月には、活動再開の見通しが立たないことへの不安や、グループの存続に関わる相談が増え、同時にオンラインの活用を模索する団体も増えてきました。
SHGに対する新型コロナウイルスの影響
- 何もできなくなってしまった。
- 活動の中心であるミーティングが3密のため開催できない。
- 数人だけでも…と思ったが、普段借りている会場が閉館になった。
- 会の収入がなくなってしまった。
- イベントを中止したが、チラシ印刷費はすでに支払い済み。会にお金はなく、赤字(個人の持ち出し)のまま。
- コロナに対する感覚がみんな違って、今後を話しあうのが難しい。
- これまで通りのコミュニケーションができなくなったことで、運営メンバー間にも距離が生まれてしまった。
- 先の計画を立てられない、予定を考えられる状況にない。
- グループにつながったばかりの方と、交流が途絶えてしまった。
- 参加者にはこの活動が「居場所」だったのに、それが断絶してしまった。
- 法人格もなく、規模も小さく、寄付頼みだったので、公的な支援策の対象にならない。
- これまでもオンライン中心だったので特に影響はないが、今後はリアルなつながりをつくっていこうとしていた矢先だった。
- 活動をしなければ支出はないので、運営面のダメージはない。
- コロナの影響による家族間の軋轢に関わる相談が寄せられるようになった。
- 性暴力等の危険度は増しているが、ロビイングができない状況にある。
- 当事者運動体としては暇になった。今までやってきたような活動は減ってしまった。
心配していること
- 参加できる活動がなくなり、会員離れが進む。
- 活動を再開しても、感染への不安で参加できない人がいるかも。
- 疾病など、感染リスクが高いメンバーが多い。再開の判断ができない。
- 実際に会うことを大切にしているため、この先どのように活動していけばいいのか…。
- 活動休止により、相談・励まし合いの機会がないことで、深刻さが増していく人がいるのではと心配。
- この状態が長引くと、精神的に調子を崩してしまう人が増えてしまうのではないかと危惧している。
- 「閉じこもり」状態の人が多いので今はなんとか過ごせている。しかし、このまま状況が長引けば、個々の生活に新たな問題が発生しそう。
(相談担当M)