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福祉教育・ボランティア学習

探究的な学びとは?

探究的な学び 〜福祉教育・ボランティア学習における学びの在り方〜


「探究的な学び」とは、自ら問いを立て、その問いを解決するために情報を収集・整理・分析し、最後に問いを自律的に解決できることを目指した主体的・能動的な学習のことです 。学校教育では、小学校及び中学校の「総合的な学習の時間」と高等学校の「総合的な探究の時間」における学びを指すことが多いですが、探究的な学びはそこに留まるものではなく、すべての教科・領域に導入され、子どもの主体的・対話的で深い学びの実現に役立てられるものでなくてはなりません。学校教育で展開される福祉教育・ボランティア学習にとっても、探究的な学びを導入することには多くの意義があると考えられます 。


探究的な学びの特徴の一つに、「探究の過程」の重視があります。『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 総合的な探究の時間編』(文部科学省、2019年)では、「探究における生徒の学習の姿」というイラストを付して、探究の過程を「①課題の設定→②情報の収集→③整理・分析→④まとめ・表現」の4段階より示し、さらにその過程が繰り返されることを説明しています。

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このように、探究の過程に重きを置くことの理由は、探究的な学びが「やらされる」学びではなく、自分で決めたテーマを追究する主体的な学びだからです。また、探究的な学びでは、多くの子どもが正解のない社会の複雑なテーマを追究しますが、その背景には、自分なりの納得解を見出す努力を続けることで、子どもの問題解決力や批判的思考力が一層高まるという考えがあります。探究の過程と比較されるのは「探究の結果」です。結果主義から過程主義へ、教育の在り方の転換を検討する中で見出された学習理論が、探究的な学びであったと言うこともできます。


福祉教育・ボランティア学習では依然として、「車椅子体験学習」といった一度きりの体験的な活動が数多く展開されています。それも重要な学習活動ですが、探究的な学びの観点から再検討してみると、その学習活動に子どもの問いはあるのか、問いを解決するための子どもの試行錯誤の過程が保証されているのか、そして何よりも、教師主導で特定の資質・能力を習得させることに汲々としている授業で子どもは本当に多くのことを学べるのかといった疑問を感じざるを得ないのも事実です。


(文責 唐木清志/筑波大学)