2017年度実施プロジェクト
社員ボランティアが、そのビジネススキルや経験、ネットワークを活かして、非営利団体を支援する活動を推進するためのモデル・プログラムを企画・実践しています。
広報媒体の作成
- 協力企業：ゴールドマン・サックス社（GS)
- 協力団体：特定非営利活動法人NPO STARS（エヌ・ピー・オー スターズ）
※2013年に設立され、全国各地の児童福祉施設の職員（約200名）が会員となり、社会的養護が必要な子どもたちを支援する人材の育成に取り組んでいる。 - 実施時期：2017年8月～2018年2月
- 実施内容：2017年7月14日（金）、新宿区の二葉乳児院に、GS社のボランティア8名とNPO STARSの会員12名とが集まった。まず、互いに自己紹介をし、次に、NPO STRASから児童福祉の現状について説明した。その後、広報資料作成の目的を共有してからウェブサイト(企業の社会貢献ページと社会的養護の説明ページ)、Facebook、広報パンフレット、ニュースレターの5つのグループに分かれて、広報戦略と具体的な改善策を検討した。また、お昼は新宿区内の障害のある人たちのレストランからお弁当を取り寄せ、昼休みには二葉乳児院の施設内を見学。午後からはグループワークの検討結果を発表した。
こうした意見をもとにNPO STARSが広報資料（パンフレット）を2月までに完成させた。それ以外の広報媒体についても改善に取り組んでいる。参加したNPO STARS会員からは「企業目線でのアドバイスは今後の活動にも大いに役立つ」「具体的なアイデアをたくさんいただくことができた」「継続してこのような機会があるとよい」といった感想が寄せられている。一方、GS社員ボランティアからは「児童福祉について知ることができ、自分たちの身近な社会的課題であることがわった」「企業勤めで得た経験や知識が活かせることがわかった」などのコメントがあった。ビジネスのプロと児童福祉のプロが一緒のグループで、広報戦略について真剣に議論したことは双方にとって大変刺激的だったようだ。
ウェブサイトリニューアル
- 協力企業：都内IT系企業
協力団体：NPO法人 在日外国人教育生活相談センター・信愛塾
※1978年に横浜市中区に開設した、日本に居住する外国人の教育生活相談や学力・進路の保障事業を目的としたNPO法人 - 実施時期：2017年4月～2017年9月
- 実施内容：信愛塾は今年で創立40周年を迎え、数多くの実績があり、周囲からは順調な運営と思われているが、実態としては、寄付やボランティアなど、多くの支援が必要となっていた。そこで、都内のIT企業で働く社員の有志たち（ITボランティア・チーム）が、信愛塾のウェブサイトの改良に取り組んだ。
当初のウェブサイトは、デザインや言い回しが古めかしく、とっつきにくい感じだった。また、どういう支援が必要なのかがわかりづらく、各ページに支援方法へのリンクがなかった。このため、活動内容がわかりにくく、寄付や支援が集めにくいという課題があった。
まず、ITボランティア・チームが東京ボランティア・市民活動センターと一緒に信愛塾を訪ね、その活動のすばらしさに共感した。そして、それ以降は、インターネット上でウェブサイトのコンテンツや動線、表現方法、個人情報保護の方針などについてアドバイスし、それを信愛塾が理解のある業者に依頼して、改良を進めていった。2017年9月にはウェブサイトがめでたく公開となり、ITボランティア・チームは再度、横浜に行き、信愛塾や関係者と一緒に中華料理で打ち上げをした。ITボランティア・チームは、「特別な知識がなくても役に立てることがある。」、「現地に行かなくても役に立てることがある。」、「できないことはできないと言ってよい。」ということがわかったと言う。信愛塾も、「自分たちだけではできなかった。企業の人たちに感謝したい。このウェブサイトを活用して、積極的に活動への理解を広げていきたい。」と語った。
NPO＆施設のためのビジネス講座の開催
- 協力企業：株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
- 協力団体：東京ボランティア・市民活動センター
- 実施日時：2018年2月16日（金）18:00～20:30
- 実施会場：株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 会議室
- 実施内容： 本センターが主催する「NPO・施設のためのビジネス基礎講座～支援者を拡大しよう！～」は、NPO・施設団体が企業の社会貢献や社員のボランティアについて理解するとともに、支援者を拡大するためのビジネススキルを学ぶことを目的に、企業の方々にボランティア講師をお願いして開催されている。
このビジネス基礎講座に対し、本センターは、企業を対象に人材育成と組織強化のためにアセスメントやトレーニング、コンサルティングを提供しているリクルートマネジメントソリューションズの協力を得て、ビジネス基礎講座の中の2つ、プレゼンテーションの講座とビジネス基礎講座のフォローアップ編を企画・実施することになった。
講座の企画にあたっては、まず過去のビジネス基礎講座に参加した4団体に共同でヒヤリングを実施し、それぞれの団体が、何を目指し、どのような活動をしていて、何が課題かなどを聴き取り、その状況を可視化した。さらに、本ビジネス基礎講座で何が参考になり、それをその後、どう活用しているかといった実情を収集し、分析を行い、2つの講座の内容を練りあげた。
プレゼンテーションの講座では、リクルートマネジメントソリューションズ営業統括部長が講師になり、『プレゼンテーションとは、企業や支援者との接点を「有効な出会い」にすること』と定義し、「自分たちの活動をわかりやすく伝えること」と「相手にとっても魅力的に伝わること」の2つをテーマに研修を展開、参加者は事前課題や講義、ロールプレイを通して、プレゼンテーションのポイントを学んだ。
フォローアップ編では、リクルートマネジメントソリューションズ経営企画部長が講師になり、NPOや福祉施設が目標に向かって仮説検証しながら成長できるために、また、メンバーを巻き込んで一丸となって動けるために、リクルートマネジメントソリューションズの「MVマップ（ミッション・ビジョン・マップ）」を使って実践的な計画を解説、参加者は実際にＭＶマップを作成した。
両講座ともに、「とてもわかりやすい」、「何をすればよいかがわかった」、「事前課題シートが使いやすい」、「ロールプレイで気が付いたことが多かった」など、参加者の満足度が大変高い場となった。