2018年度実施プロジェクト

社員ボランティアが、そのビジネススキルや経験、ネットワークを活かして、非営利団体を支援する活動を推進するためのモデル・プログラムを企画・実践しています。

福祉施設での新入社員研修

協力企業：日本光電工業株式会社
協力団体：社会福祉法人新宿区社会福祉協議会
実施時期：2018年5月7日（月）～9日（水） 3日間
実施内容：医療機器メーカである日本光電工業㈱は全国各地で地域貢献活動を行っており、新入社員にもその活動に参加してほしいと考え、新入社員研修の中で本社のある新宿区での貢献活動ができないかと考えていた。また、活動するにあたっては、新入社員が相手の立場に立って考え、コミュニティに貢献したいというマインドと行動力を持ったうえで、多様な人々とコミュニケーションをとってほしいという願いがあった。
　これを実現するために、日本光電工業㈱が東京ボランティア・市民活動センターに相談し、地元の新宿区社会福祉協議会と繋がり、3者の協働がスタートした。新宿区社会福祉協議会は地域住民や福祉施設・団体からなる会員組織であり、そのネットワークを活かして、区内の福祉施設でのボランティア体験研修を企画・実施されたのである。
　初日は「多様性を理解しよう」というテーマで、車いすユーザーの方のお話を聞いたり、障害のある人とチームになり、ペットボトルで楽器を作って一緒に演奏した。2~3日目は4つのチームに分かれ、区内の高齢者施設と障害者施設で、利用者の方との交流や備品整備や清掃などを行い、3日目の午後には、利用者の方が喜んでくださりそうなことを新入社員がチームで考えて実行した。具体的には、ちぎり絵やハンドベル演奏、ボーリングゲームなどであったが、スタッフの方からアドバイスをもらいながら、直前まで利用者の方に喜んでいただけるように工夫をこらした。どの交流企画も元気と思いやりにあふれ、利用者の方々の心をとらえたようだ。
　研修後、社員と施設向けのアンケートから、企業としては、地域社会に貢献できるとともに、社員の成長を知ることができ、施設としては、利用者の方々が若い社員との交流を楽しむとともに、社員の方々に地域福祉について理解してもらう機会となったことがわかった。今回の研修が双方にとって有意義であり、今後は、この関係性をさらに継続・発展させていきたいと関係者全員が願っている。

シニアボランティア感謝イベント～高齢社会を輝いて生きよう！～

協力企業：虎屋グループ
協力団体：社会福祉法人ふきのとうの会
実施時期：2018年10月29日（月）、11月16日（金）、1月7日（月）全3回
※各回とも午後のおやつの時間帯1時間程度
実施内容：羊羹をはじめとする和菓子の老舗、とらやを擁する虎屋グループでは、東北の被災地や本社のある港区において、高齢者の方々の集まりに社員が参加し、季節の羊羹とお茶を振る舞いながら、交流するという社会貢献活動を続けている。その活動を都内でも広げていきたいと、東京ボランティア・市民活動センターに相談があった。
　　そこで、世田谷区において、地域の高齢者や子どものためにボランティアが食事サービスをしている社会福祉法人ふきのとうの会を訪問し、何ができるかを相談してみた。代表の平野さんは、こうしたボランティア活動は全国に広がっており、30年以上活動している高齢の方々がいらっしゃるが、全国各地でボランティアの後継者不足が課題であるという。
　そこで、高齢になってもボランティアとして活き活きと活躍している人たちに感謝するイベントを開催し、そのライフスタイルを広く社会に伝えることで、ボランティアの後継者を生み出し、豊かな高齢社会を築く一助になるのではないか！ということになった。感謝イベントは、区内の3か所のデイサービスで行い、そこを拠点に活動するボランティアの方々が招待された。利用者の方々が「いつもありがとう」というメッセージカードとそれを飾る鶴を折り紙で折ってくださった。
　そして、虎屋グループの社員の皆さんが季節の羊羹とお茶を運び、ボランティアや利用者の方々と談笑する温かい時間となった。とらやの羊羹は高齢者の方々に大人気だった。美味しいものは人をつなぎ、笑顔にさせる。そして、35年間ボランティア活動している2名の女性の方々には、東京ボランティア・市民活動センターの山崎所長から感謝状と紫色のボランティアバッチが贈呈された。
　高齢者がいきいきと活躍できるような社会づくりのために、企業や非営利団体が一緒にできることはいろいろありそうだ。

NPO&施設のための「営業」についての講座

協力企業：株式会社ジャックス
協力団体：東京ボランティア・市民活動センター
実施日時：2018年12月5日（水）19:00～21:00
実施内容：株式会社ジャックスの社会貢献担当に新しく異動してきた方が東京ボランティア・市民活動センターにご挨拶にいらしてくださった。「ずっと営業をしていたので、社会貢献やCSRについては全くわかりません。これから一生懸命勉強しますので、よろしくお願いします。」
　それを聞いて、本センターの企業担当チームは喜んだ。4年前から、NPOや施設、ボランティア・センターの方々が参加し、企業のボランティア講師から、ビジネスのアイデアやスキルを学び、支援者を拡大していこう！という『NPO&施設のためのビジネス基礎講座』（全5回、参加費無料）を開催しているが、「営業」について教えてくれる人を探していたからだ。企業の営業のノウハウを活用して、非営利団体が寄付者やボランティアをもっと集めたい！
　そこで、初対面でありながら、いきなり講師をお願いしたところ、驚き、躊躇しつつも、「お役に立てるのであれば」と引き受けてくださった。
　講座のタイトルは、『企業に会いに行こう！～相手も自分たちもHappyになるために～』。その内容は、実際に企業各社に会いに行くための準備と当日のふるまい、そしてお会いした後の関係づくりについてだ。講義とロールプレイ、質疑・応答という3部構成となっている。
　長年の営業経験をベースにした講師のお話は、営業の理念や理論だけではなく、熱意と工夫に満ちていて、説得力がある。参加者はうなづきながら熱心に聞いていた。参加者アンケートには「明日からの活動に活かしたい」というコメントが多く寄せられた。