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TVACのあゆみ
~東京におけるボランティア活動支援の流れ~

第1章 黎明期 : ボランティア東京ビューローと東京青年ボランティアのつどい

tvac_history_1_1.jpg「ボランティア東京ビューロー・設立のつどい」
(1963.3.2)における当日資料

東京におけるボランティア活動の推進拠点づくりは、昭和30年代後半ごろからボランティア・グループや社会福祉施設関係者の間で積極的に行われてきた。
1961(昭和36)年には、「ボランティアよ手をつなごう」という呼びかけのもとに第1回学生ボランティア会議が開かれた。 この会議は翌年にも2回開かれたが、その目的はボランティアの横のつながりを強める連絡組織をつくりたいというものであった。 また、1962(昭和37)年5月には、東京都社会福祉協議会(以下、東社協)のあっせんのもとに「児童福祉ボランティア会議」が開催された。この会議では、ボランティア活動が効果的に行われるためには、ボランティア自身の学習が不可欠であり、そのための教育・訓練を行う場が必要であることが話し合われた。
このようなボランティアたちの連絡組織の必要性や受け入れ施設等によるボランティア・トレーニングの場の必要性から、同年10月に開かれた東京都社会福祉大会で、「ボランティア活動をどのように推進するか」について協議が行われ、早急にビューローを設置すべきだとの意見が出され、専門委員会において、ボランティア・ビューローづくりが決議された。1963(昭和38)年1月には「ボランティアの集い」が、関係者150人の参加を得て開催され、ビューロー設置についての合意が得られた。そして、3月2日、「ボランティア東京ビューロー」の設置となった。
この「ボランティア東京ビューロー」は、ボランティアを中心とする自主的な運営委員会が運営主体となり、ビューローの事務局は東社協事務局の一角に設けられたが、東社協は運営幹事を事務的に補助するだけで、直接的な運営責任は負わないという組織構成として、組織としての独立性を保つような工夫がなされていた。 運営はボランティア代表や学識経験者等によって構成される運営委員会の審議をもとに、事業は固有の職員を配置して行った。 そして、事業費はボランティアによる拠出金や支援者による寄付金によってまかなわれていた。 こうしたボランティア活動の推進拠点は非常に先駆的であり、全国的にも注目されたが、当時はまだボランティア活動への社会的認知が低く、ましてやその推進機関の必要性を理解する者は少なかったため、拠出金や寄付金を財源とする運営が破綻をきたしてしまい、わずか1年での解散を余儀なくされたのであった。
ビューローの解散後、ボランティア団体や東社協をはじめとする推進団体、東京都などが、ボランティア活動の発展と強化をめざして、それぞれに新しい取り組みを展開した。

tvac_history_1_2.jpgボランティア東京ビューローのあった東京都社会福祉会館。
ビューローは、東社協事務局の一角に置かれた。

まず、東社協の動きであるが、本会は改めて、「ボランティア活動の育成は社会福祉協議会が持つべき本来事業の一つである」との位置づけを確認し、1965(昭和40)年度から積極的にボランティア・グループの相談や学習会への支援を行う一方、都内でボランティア活動を推進している団体の情報交換および支援体制の強化を目的とした「都内ボランティア関係団体連絡会」を2か月に1回開催することにした。 連絡会には、朝日新聞東京厚生文化事業団、毎日新聞東京社会事業団、NHK厚生文化事業団、日本赤十字社東京都支部、YMCA、YWCA、富士新報福祉事業団、東京都善意銀行協会などが参加し、1967(昭和42)年まで継続した。
また、昭和30年代に活動していた青年・学生リーダーたちが横のつながりを求めて、1965(昭和40)年に「東京青年ボランティアのつどい」を発足させた。 これはあくまでも、青年ボランティアの有志たちによって主体的に運営され、東社協は会場の提供や助言・指導に当たった。 毎月1回開催されたつどいには、60人から70人の参加があり、情報交換やボランティア活動の進め方についての学習を行った。 また、機関紙「東青ボランティア」を毎月1回発行し、つどいに参加できなかった人にもその内容がわかるようにした。
1966(昭和41)年には、東京都内のボランティアの輪を広げる目的で、東社協と東京青年ボランティアのつどいが共催し、「第1回東京ボランティアのつどい」が開催された。 つどいではボランティア活動の体験発表などを行い、相互の連携を深めようと試みられたが、1968(昭和43)年、第2回目の企画をめぐってボランティアの意見が分かれ、激論の末、第2回目の東京ボランティアのつどいは流れるとともに、「東京青年のつどい」までが3年間で閉会することになってしまった。

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