2012年度(H24)の相談窓口から
東京ボランティア・市民活動センター(以下、TVAC)には、一般市民、ボランティア・市民活動団体、市民活動推進機関、企業、行政、学校、マスコミなど、さまざまな団体から多数のお問合わせ・ご相談が寄せられています。
2012年度(2012年4月~2013年3月)の相談記録件数は1万5,932件となりました。ボランティア・市民活動に参加を希望する方からの相談のほか、ボランティアグループ(以下、VG)や市民活動団体、NPO法人の設立・運営相談、認定NPO法人申請にまつわる相談、参加者募集・広報相談、ほか、関連情報や資料を探す方からの相談など、多岐にわたる相談が寄せられました。昨年度の相談記録から、概要をご紹介しましょう。
VG/NPOからの設立・運営相談が半数を占める
相談者の傾向を見ると(図1)、VG/NPOからの相談が5割を占めています。次いで、個人からの相談、企業からの相談が寄せられました。
VG/NPOからは、団体の設立、資金づくり、ボランティア・スタッフ・役員等の人材のマネジメント、会計・税務・労務・各種書類の作成などの実務、組織運営や会議運営に関する相談が多くを占めます。また、改正NPO法が施行された影響で、認定NPO法人や登記変更、会計基準に関するご相談も多数寄せられました。
ここ数年の特徴として、組織運営に困難を抱えるNPO法人からの解散に関する相談も目立っています。その背景には、実務・運営能力の欠如、希薄な自治意識、ひいては、安易な法人化といった課題が見えてきます。
また、生活のしづらさや困りごと、様々な生活課題を抱えた当事者自身による自助グループの設立・運営相談も寄せられています。
相談内容の内訳
相談内容の内訳(図2)を具体的にご紹介します。
活動相談(57%)
前述のVG/NPOからの設立・運営相談が中心です。内訳は、NPO法人設立手続き(33・2%)、NPO法人設立申請内容(23・8%)、イベント企画・運営(10・4%)、NPO法人運営(9・2%)、NPO法人会計(8・8%)、その他のNPO法人に関する相談(5・9%)、NPO法人の事業報告(3・2%)、助成金(2・1%)、組織運営全般(1・8%)、ほか、となっています。
社会貢献活動に関する相談(17・4%)
企業や社員の自主グループからの、社会貢献活動の企画や運営に関する相談です。基本的な情報や考え方、他社の取り組み事例を知りたいという相談、寄付先や社員のボランティア活動の相談に加え、事業協働先のNPOを探したい、というご相談もあります。社員研修の中でのボランティア活動、社員向けのボランティア講座の実施、企業の持つスペースの提供やチャリティ・イベントの開催など、多様な取り組みに関する相談が寄せられています。
TVAC事業に関する相談(6・3%)
TVACの事業(各種の講座・イベント、施設利用の方法を含む)について、他機関から紹介されたり、インターネットや各種メディアを通じて知った方からの相談です。「○○についての相談はできるのか?/情報はあるか?」といったお問い合わせもあります。
情報提供(4・8%)
特定の団体・機関・サービス、講師やボランティア活動者を探している方、ボランティアや市民活動に関わる図書資料や統計、情報を探している方などからの相談です。各種メディアを通じて見聞きした団体の連絡先を尋ねるもの、関連情報などを得たいという相談もあります。
ボランティア活動希望(4・5%)
「ボランティア活動に参加したい」という個人やグループなどからのご相談です。希望する活動内容は、何かしたい/ボランティア活動全般(26・9%)、災害支援に関わるボランティア活動(21・2%)、モノやお金の寄付(10・3%)、社会福祉に関わるボランティア活動(7・9%)、国際交流・協力(5・5%)、資格や技術を活かしたボランティア活動(5・2%)、子どもに関わるボランティア活動(4・5%)、環境保全のボランティア活動(2・5%)、その他のボランティア活動(16%)となっています。一昨年度は東日本大震災の影響を受け、災害ボランティアを希望する方からの相談、被災地への救援物資等の寄付の相談が多数寄せられましたが、震災関係の相談はひと段落となりました。
また、インターネットを活用してボランティア活動を探す方は年々増加し、当センターのウェブサイト内のボランティア情報へのアクセス数も毎年増加しています。一方で、電話や訪問など、相談窓口の利用件数は減少傾向にあります。
その他(10%)
見学や取材の相談、特定のニーズを持つ方からの継続的なご相談などが含まれます。
今後もTVACでは、さまざまなケースに対応できるよう、情報の収集・分析と相談業務の強化をはかる一方、相談内容の傾向から各機関・団体の抱える課題や市民の活動ニーズを把握し、市民活動を取り巻く状況の変化を読み取りながら、センター事業に反映させていきます。(相談担当)
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